高速道路の全国11か所を4車線化! 2024年度中に着手する区間はどこ?
国土交通省が全国の高速道路の暫定2車線区間のうち11か所を、新たに4車線化する区間として選定したことを発表した。11か所は合計すると延長56.5kmで、事業費は約3560億円が見込まれている。 【画像】全国地図でひと目で分かる、4車線化候補箇所がこちら!
2024年度中に着手する区間はどこ?
国土交通省は2019年9月に、高速道路の暫定2車線区間において、大きな課題がある区間を“優先整備区間(約880km)”として選定し、順次、4車線化する事業に取り組んでいる。国土交通省が3月1日に発表した内容では、このうち延長計56.5kmに及ぶ区間を2024年度中に新たに着手することを発表した。 「暫定2車線区間」は、もともと4車線以上で計画された道路のうち、限られた期間や費用で建設できることから、供用時に交通量がそこまで見込まれていない区間に採用される場合が多い。しかし、中央分離帯がない暫定2車線区間は、4車線区間に比べて正面衝突などによる死亡事故が多発しており、追い越しもできないことから、並行する一般道より流れが悪くなることもある(制限速度も時速70km)。そのため、このような問題を改善すべく高速道路の4車線化事業が進められている。 後述するが、暫定2車線区間の4車線化は、渋滞、災害、事故発生箇所などを勘案した結果で対象区間を選定しており、その他にも財源の確保も重要な要素として絡んでいる。 では次に、国土交通省が発表した2024年度に4車線化の着手区間に選定された11か所について列挙する。 ■4車線化候補箇所(都道府県、道路名、事業区間、延長、事業費の順に記載) ・【北海道】道東道:追分町IC~夕張IC間の4.1km、事業費は約250億円 ・【秋田県】秋田道:横手北スマートIC~大曲IC間の7.9km、事業費は約360億円 ・【宮城県】常磐道:山本南スマートIC~山元IC間の5.5km、事業費は約210億円 ・【新潟県】磐越道:西会津IC~津川IC間の8.7km、事業費は約660億円 ・【岐阜県】東海北陸道:飛騨清見IC~白川郷IC間の4.3km、事業費は約300億円 ・【島根県】山陰道:松江玉造IC~宍道JCT間の3.0km、事業費は約180億円 ・【徳島県】徳島道:美馬IC~吉野川SAスマートIC間の4.8km、事業費は約260億円 ・【愛媛県】松山道:伊予IC~内子五十崎IC間の5.3km、事業費は約400億円 ・【福岡県】東九州道(椎田道):みやこ豊津IC~築城IC間の1.2km、事業費は約70億円 ・【鹿児島県】東九州道:末吉財部IC~国分IC間の7.1km、事業費は約520億円 ・【佐賀・長崎県】西九州道(武雄佐世保道):武雄南IC~波佐見有田IC間の4.6km、事業費は約350億円 以上、延長計56.5km、事業費計約3560億円となる。 また、次に挙げる5か所は今後の事業実施環境を整えるため、“調査”に着手する「準備調査候補箇所」に選定されている。 ■準備調査候補箇所(都道府県、道路名、事業区間、延長の順に記載) ・千葉県 富津館山道:富津竹岡IC~鋸南保田IC間の6.8km ・岐阜県 東海北陸道:飛騨清見IC~白川郷IC間の11.9km ・福井県 舞鶴若狭堂:三方五湖スマートIC~若狭見方IC間の1.6km ・福岡県 東九州道:行橋IC~みやこ豊津IC間の5.5km 以上、延長計30.0kmとなる。この区間を含めた準備調査候補箇所は今後、事業許可に向けて手続きが進められる予定だ。