「まるでオーガスタ!?」ゴルフ場の真っ白でサラサラなバンカー… あの砂ってどこから持ってきてるの?
バンカーの砂が減ったらどうなるの?
そして、飯島氏は「バンカーの砂が不足すると、色々と不都合が生じる可能性が高い」と話します。 「コース管理の作業の一つで、大きなレーキが後ろに付いた作業車で、バンカーの上を8の字に走って均すというものがあります。ショットが繰り返されると、砂がバンカーの外へとかき出されて中の砂が減っていきますが、砂が少ない状態でレーキ作業を行うと表面の下に敷かれている大きめの砕石が浮き上がってしまうことがあります。というのも、バンカーには排水をよくするために砂の層の下に透水シートが張られ、さらにその下には大粒の砕石が敷かれているのです」 「作業車が通ると、砕石が表面まで上がってきて小さな砂の粒子の中に石が紛れ込み、ショットに影響が出てしまうだけでなく排水性能も低下すると言われています。ですので、定期的に見回りをしたうえで砂が減ってきているようだったら補充を欠かさず実施し、砂の層が少なくとも15センチ以上キープできた方が機能面で優れたバンカーを提供することにつながります」 「さらに、ショットによって周りに飛び散った砂は、堆積し続けるとバンカーの縁を崩してしまうため、ブロワーで中に戻して美しさを保っています」
グリーンにまかれる砂も工夫されている
なお、ゴルフコースではバンカー以外にもグリーンで砂が使われており、特に春先に芝の芽吹きを早くする目的で行われる「エアレーション作業」において、「焼き砂」が使用されています。 焼いた砂を入れることによって、雑草の種を排除したり防虫効果を高めたりといった効果が期待できるようです。さらに、塩分が取り除かれて劣化しにくくなるだけでなく、水の浸透性や通気性も向上して芝の根が張るのを促進させる働きも持っているそうです。 しかし、既に焼かれた状態で販売されている砂は通常の砂と比べて2~3倍ほど値段が高くなっている場合も多く、コース管理に充てられる資金が不足しているゴルフ場では、なかなか導入するのが難しいというのが課題点ともされています。 バンカーは多くのゴルファーにとって大敵とされており、「できれば避けて通りたい」と考えている人も少なくないかもしれません。しかし、バンカーもゴルフコースを構成する重要な要素であるため、ゴルフ場は砂の1粒1粒にもこだわりを持っているのです。
ピーコックブルー