有名ブランドじゃないのに値段は高い… 上級者が好む“地クラブ”の大手メーカーにはない魅力とは?
地クラブはヘッドだけで販売していることが多いのも特徴
あまり広く知られていませんが、中小企業が製造したクラブも存在し、それらは「地クラブ」と呼ばれています。 【写真】これがデシャンボーが使う“超無名メーカー”のアイアンです
「地クラブ」とは一体どのようなものなのでしょうか。レッスンプロ兼クラフトマンの関浩太郎氏は、以下のように話します。 「地クラブは少数精鋭で職人が手がけ、資本の規模も小さく、限られたお店にしか流通していません。大手メーカーはヘッド・シャフト・グリップを全てつなげて完成品の状態で出荷しているのに対し、地クラブの場合はヘッドだけ単品で作っていることが多いのも特徴の一つです」 「そのため、地クラブを手に入れる際はヘッドに加えてシャフトやグリップを買いそろえ、工房などで1本のクラブにしてもらう工程が入ります。大手でも『カスタムクラブ』という自分好みに作れるサービスがありますが、それと同じように自分に合ったクラブにできるのです」 ほとんどの量販店では大手のクラブしか取り扱っていませんが、職人や社員数が少ない工房では地クラブしか品ぞろえがありません。工房は保証サービスや売り場面積の問題から、原則として大手のクラブを販売できないようになっているそうです。 注文してから実際に手に入るまでの期間は、地クラブメーカーや工房の予約状況によって異なるものの、人気どころでは「組み立て待ち」などで数週間前後かかる場合も多いようです。
ヘッドの重心や重さなどをこと細かく調整できる
では、地クラブはどのような人にオススメなのでしょうか。 「地クラブの最大の魅力は『ニーズに忠実な、世界で1本だけのクラブを作れる』ことだと思います」 「大手メーカーは、より多くの人をターゲットとしたスペックにしていますが、地クラブは一人一人の特性に合わせてヘッドの重心や重さなどをこと細かく調整できるので『特別感』のあるクラブが好きな人にオススメです」 「例えば、かなりのスライサーやフッカーに特化したものや、ミスショットに対する寛容性のみを追求したもの、さらには性能面よりもデザイン面に凝った作りのものまでいろいろあります。値段は大手のクラブと比べて2倍程度となりますが、その代わり、より自分にフィットしたり、所有感も満たされたりするので、満足のいくクラブになると思います」 国内にはいくつもの地クラブメーカーが軒を連ねていますが、その中でも関氏がオススメと話すのが「RODDIO(ロッディオ)」「三浦技研」そして「エポンゴルフ」の3つです。 「いずれも、地クラブメーカーの中では比較的規模が大きく、デザインはもちろん、大手と何ら遜色のない性能を誇っています。各社が得意とするクラブもそれぞれあり、『RODDIO』はフェアウェイウッドの飛距離性能に定評があり、大手が作ったものより飛ぶとも言われています」 「『三浦技研』はアイアンに最も力を入れており、こだわりの軟鉄鍛造ヘッドは精密性も兼ね備えていて、ツアープロからも厚い信頼を得ています。『エポンゴルフ』はデザインやCAD設計(コンピューター支援による設計)、試作評価などを何度も繰り返して作られ、ドライバーが特に飛ぶと多くの人から支持を集めています」 地クラブメーカーに応じて強みや設計に対する考え方は多種多様で、組み合わせは膨大です。そこから、自分にとって最強の相棒となるようなオリジナルクラブを作ってみるのも面白いかもしれません。
ピーコックブルー