中原淳一、竹久夢二…大正~昭和「色褪せない女性画・美人画」この夏行きたい展覧会3選
開催中の展覧会のなかから、ぜひ訪れたい大正~昭和にかけて美しい女性画を描いた3人の巨匠の展覧会をご紹介します。
渋谷区立松濤美術館「111年目の中原淳一」
開催中のイラストレーション、雑誌編集、ファッションデザイン、インテリアデザインなどマルチクリエイターと呼ぶべき多彩な活動で知られる中原淳一(1913-1983)。 彼は、戦前に雑誌『少女の友』でデビューをし、挿絵や表紙を手がけ人気を博したほか、編集にも関わりました。1937年に日中戦争が勃発すると、戦時色が強まる中で同誌を去ることを余儀なくされます。しかし、中原は、終戦の翌年の1946年に自身が編集長を務める『ソレイユ』(8号以降『それいゆ』に改名)を創刊。その後も『ひまわり』、『ジュニアそれいゆ』、『女の部屋』などの雑誌を手がけました。 中原の生誕111年目を記念し開催される本展では、こうした数々の雑誌に掲載された挿絵や表紙の原画をはじめ、デザインした衣服、アーティストとして制作した絵画や人形など、中原の仕事の全貌に迫ります。「再び人々が夢と希望を持って、美しい暮らしを志せる本をつくりたい」という想いのもと、中原が生み出したこれらのクリエイションの数々を通じて、今もなお色褪せることのない魅力を紹介します。 ■会期/~2024年9月1日 前期:~2024年8月4日 後期:2024年8月6日~9月1日 ※会期中、一部展示替えがあります。 ■会場/渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2-14-14) ■休館日/月曜日(ただし8月12日は開館)、8月13日 ■料金/一般1000円ほか <画像>中原淳一 《表紙原画(『ひまわり』第6巻第9号)》 1952年 個人蔵展覧会のなかから、ぜひ訪れたい大正~昭和にかけて美しい女性画を描いた3人の巨匠の展覧会をご紹介します。
東京都庭園美術館「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」
「夢二式」と称される叙情的な美人画によって人気を博した竹久夢二。本展は、生誕140年を記念して、最新の研究に基づく新たな視点からその生涯をたどります。 このたび発見された大正中期の名画《アマリリス》、滞米中に描かれた貴重な油彩画《西海岸の裸婦》、そして夢二を看取った友人に遺したスケッチ帖や素描など、初公開資料を含む約180点の作品を夢二郷土美術館コレクションを中心に紹介します。 世の中のさまざまな価値観が劇的に変化しつつあった20世紀前半、時代の立役者となった竹久夢二の魅力を堪能できます。 ■会期/~2024年8月25日 ■会場/東京都庭園美術館(本館+新館)(東京都港区白金台5-21-9) ■休館日/月曜日(ただし8月12日は開館、7月16日、8月13日は休館) ■料金/一般1400円ほか ※日時指定予約をお勧めします。 <画像>《星まつ里》昭和初期/夢二郷土美術館蔵