2025年、注目の鉄道ニュースは? ドクターイエロー引退に“消える”鉄道会社も 「乗り鉄デスク」が紹介
一方、関西では大阪府の泉北高速鉄道が4月1日付で南海電鉄に吸収合併されます。 「新京成電鉄」とともに「泉北高速鉄道」の名前も消えることになります。泉北高速鉄道線は、もともと大阪南部で開発を進めていた泉北ニュータウンと大阪都心部を結ぶ鉄道ルートとして1971年に開業。同時に南海高野線経由で、なんばへの乗り入れをスタートしました。 2014年には南海電鉄の子会社となり、現在の社名「泉北高速鉄道」になりましたが、こちらも4月1日に南海電鉄に統合されます。泉北高速鉄道線中百舌鳥~和泉中央間(14.3キロメートル)の路線名は南海「泉北線」に。 また、運賃については「初乗りの二重払いの解消などを検討」と発表されているため、運賃体系が統一され、多くの区間で値下げが期待されそうです。 いずれにしても、「新京成」「泉北高速」の社名は消えても、利用者の利便性が損なわれることにはなりません。ただ、長年両社になじんできた利用者やファンには「寂しい」気持ちはあるかと思います。 新京成、泉北高速など中規模の鉄道会社5社は大手私鉄に対して「準大手私鉄」と呼ばれることがありますが、4月以降は山陽電鉄、北大阪急行電鉄、神戸高速鉄道と関西の3社のみとなります。
■北海道 今年も消える駅…日本最東端の駅も3月14日に幕
赤字ローカル線をめぐる動きも、引き続き目の離せない一年となりそうです。2025年は鉄道廃線の予定はありませんが、2024年、自動車交通への転換方針が表明されたJR東日本の津軽線や久留里線の各末端区間は、具体的な動きを加速させていくことになりそうです。 一方、2024年、全国初の「再構築協議会」設置で注目されたJR芸備線。JR西日本管内で収支率ワーストの区間も抱えていて、一部区間の廃止も危惧されますが、協議会は2025年も継続される見通しで、議論の終着点は見えてきません。 ほかにも、鉄道事業者側が沿線自治体にローカル線の今後のあり方について協議を要請するケースも増えてきていて、人口減少で利用者が減少する中、廃線の方向性が打ち出される事例は今年も相次ぎそうです。 路線自体の廃止に至らなくても、利用者の少ない駅の廃止は行われます。JR北海道は根室線の「東滝川」「東根室」、宗谷線の「雄信内」「南幌延」「抜海」の5駅を3月15日のダイヤ改正を機に廃止します。東根室駅は「日本最東端の駅」として知られていましたが、終着の根室駅に、その座を譲ります。宗谷線の3駅は最北の鉄路の「秘境駅」として地元自治体が費用を負担して維持されていましたが、負担の継続を断念し、廃止となります。 もともと、地元住民の利用は極めて少なく、「秘境駅」として鉄道ファンなどに愛される存在であっても、“観光資源”としての維持は難しいという現実が見えてきます。