2025年、注目の鉄道ニュースは? ドクターイエロー引退に“消える”鉄道会社も 「乗り鉄デスク」が紹介
西日本エリアでは、JR西日本広島駅の新駅ビル「ミナモア」が3月24日に開業予定です。ここで注目したいのは、駅ビルの2階に「路面電車」が乗り入れることです(2025年夏頃予定)。広島は「路面電車の博物館」とも呼ばれ、路面電車の充実した街として知られますが、新幹線などのJR線と広島電鉄の路面電車との乗り換えが大変、便利になりそうです。
また、広島駅直結となるのにあわせ、紙屋町や八丁堀といった市街地中心部から距離を短縮した駅前大橋ルートを建設し、約4分の所要時間短縮が見込まれています。この駅前大橋ルート(広島駅~稲荷町~比治山下1.1キロメートル)の開業が、2025年に日本で開業する2つ目の新線ということになります。 一方で、新たな循環ルートにも組み込まれない、広島駅~猿猴橋町~的場町間は廃止となります。 ちなみに「ミナモア」屋上などの広場からは、駅前大橋ルートで広島駅に向かってくる路面電車や北側の新幹線などを一望でき、鉄道ファンにも楽しい空間になりそうです。
■注目車両のデビュー相次ぐ 伊予鉄道に「67年ぶり」新車 西武鉄道には期待の“移籍”車両が…
もう1つの明るい話題は、やはり新型車両のデビューでしょう。 2月、愛媛県のローカル私鉄「伊予鉄道」の郊外線に新型車両7000系がデビューします。“みかん王国”愛媛らしいオレンジ色のカラーリングに流線型のフォルムが特徴ですが、完全に新設計の新車の導入は、伊予鉄道にとって実に67年ぶりといいます。 地方の中小私鉄にとっては、コストのかかる新型車両の導入は難しく、大手私鉄やJRから中古車両を購入するのが一般的でしたが、伊予鉄道は環境省の国庫補助金も活用し、従来の車両より使用電力が半分という最新の性能の車両の導入に踏み切りました。
一方、西武鉄道にも「期待の車両」が2024年度末にデビューする予定です。国分寺線に導入される西武8000系ですが、実は小田急電鉄で1982年にデビューした8000形車両の譲渡を受け、改造したもの。西武鉄道は省エネルギーの車両への交代を加速するため、小田急電鉄や東急電鉄から省エネ性能の高い「VVVFインバーター制御」の中古車両を計100両導入する計画を2023年9月に発表していました。 大手私鉄同士で車両が移籍するという“異例の計画”は大きな注目を集めましたが、いよいよ営業開始を迎え、改めて話題となりそうです。なお、元東急の9000系を改造した車両は、秩父線や多摩湖線などで2025年度中のデビューが予定されています。 そのほか、京成線や東武アーバンパークライン、りんかい線でも新型通勤車両が登場する予定です。