2025年、注目の鉄道ニュースは? ドクターイエロー引退に“消える”鉄道会社も 「乗り鉄デスク」が紹介
■どうなる?整備新幹線 各地で“困難”な事態が…打開できるか
2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸開業で、現在建設中の整備新幹線は北海道新幹線の新函館北斗~札幌間のみとなりました。しかし、トンネル工事中に巨岩が出現するなど、工事の遅れが伝えられています。目標としてきた2030年度末開業は困難とされましたが、新たな開業目標の時期を示せずにいます。 一方、北陸新幹線も敦賀への延伸で関西・中部方面と北陸との往来には、敦賀駅で在来線特急から新幹線に乗り換えが生じ、一日も早く大阪方面への全線開業を望む声が一段と高まっています。しかし、現在想定される小浜・京都ルートの建設費が従来想定の約2.1兆円から、物価上昇を見込むと最大5兆円前後となる試算が示され、工期についても最短でも20年程度とされました。 ルート上の京都では、地下水への影響を懸念する声も上がり、先が見えない状況となっています。年末に絞り込まれる予定だった京都市内の駅やルートの決定も見送られ、今年度中の着工は困難となりました。 石川県を中心に工費の低減や工期短縮が期待されるとして、敦賀から東海道新幹線の米原駅につなぐルートを再検討すべきという声も大きくなっており、大阪延伸をめぐっては簡単に先へと進めない状況は続きそうです。 一方、2022年9月に開業した西九州新幹線。長崎県や国などは九州新幹線に接続する「未整備区間」の整備に向け、佐賀県と議論していますが、大きな進展はなく、武雄温泉駅乗り換えの解消のメドは立っていません。 物価の高騰や今後の人口減少という問題に直面する中、新幹線整備をめぐる「混迷」が収まる見通しは立っていません。
■同じ日に姿を消す準大手私鉄「新京成電鉄」「泉北高速鉄道」
2025年は関東・関西で長年親しまれた2つの鉄道会社が親会社への経営統合に伴い、同じ日に姿を消します。 一つは千葉県を走る「新京成電鉄」です。新京成電鉄は京成津田沼と松戸間(26.5キロメートル)を結ぶ鉄道として、京成グループにありながら、親会社の京成電鉄とは独立した鉄道会社として80年近く運営されてきました。しかし、「経営の効率化・意思決定の迅速化を図ることで経営資源の最適かつ効率的な活用と競争力の強化を進める」(両社リリースより)として、4月1日付で新京成電鉄は京成電鉄に吸収合併され、新京成線は京成「松戸線」と名を改めます。ただ、独立した運賃体系は維持されるため、松戸線内と従来の京成線内の行き来には、京成津田沼駅を境に、それぞれの運賃を合算することになります。今後、デザインなども変更される予定とのことで、車両や駅名標などのデザインが京成仕様になるのか注目されます。