45年の歴史にまもなく幕 長野市の老舗喫茶店 常連客に愛され続けたカレーライスとマスターの人柄【長野市】
長野市の老舗喫茶店が半世紀にわたる歴史に今週末、幕を下ろします。 残り4日となった21日、あるイベントが開かれ、常連客が別れを惜しみました。 長野市・権堂の東側、西鶴賀にある「珈琲館・珈香(こか)」です。切り盛りしているのはマスターの久保田富夫さん。オープン以来、45年の歴史を紡いできました。 しかし体調を崩したことをきっかけに、今週の土曜日24日を最後に、閉店することを決めました。 ■珈香マスター・久保田富夫さん 「体さえ言うこと聞けば続けたかったんですけどね、本当に。ちょっとあと暑さがきいたかな。暑かった。 「あと4日で閉める実感は、基本的にないんですけど、知らないお客さんがたくさん見えるので、たぶんそういうことなんだろうなと思います」 閉店まで4日、多くの常連客が来ていました。 ■常連客(奈良から) 「僕は奈良です。10年前くらいにふっと来させてもらって、それからですね」 ■常連客(東京から) 「閉店ということで、いてもたってもいられなくて来ちゃいました。入っただけで泣きそうですけど」 店を開いたのは1978年12月。マスターが19歳の時でした。 店にはどんな魅力があったのでしょう? ■常連客(奈良から) 「お父さんの人柄ちゃいます、やっぱり」 ■常連客(飯綱町から) 「マスターのお人柄で」 ■兵庫から 「最後のいってらっしゃいですね、やっぱり。またな、いってらっしゃい、おう」 こちらはマスターと30年以上の付き合いがあるラーメン店経営者の塚田兼司さん。 ■ラーメン店経営・塚田兼司さん 「(珈香のランチは)正直何でもうまいっす、はい、味噌汁がちょっとしょっぱいくらいで、あとは完璧です。そうっすよね、マスター」 塚田さん、なぜかカウンターに…。この日だけの限定イベントでした。 長野市・西鶴賀の「珈琲館・珈香」。45年にわたる歴史に今週末で幕を閉じます。 閉店まで4日となったきょう、店に姿を見せたのはマスターとは30年以上の付き合いになるラーメン店経営者の塚田兼司さんです。 ■ラーメン店経営者・塚田兼司さん 「いつかマスター、ここで一緒にランチやりましょうねって言ってて、急きょですよね、マスター。最後に夢を叶えてもらおうと思って。僕がマスターとコラボしたかったんです」 この日、ここだけでしか食べられない限定つけ麺を用意しました。 珈香で愛されてきたカレーライスつきです。 ■常連客(長野市民) 「このカレーはいつもの珈香のカレーです。すごくおいしいです。(つけ麺は)夏らしくて昆布のうまみも出ていて、とてもさわやかに頂いています」 ■長野市から 「これで別れを惜しめると思うと、うれしいけど悲しい。これ本当に夢の共演というか」 接客でてんやわんやのマスターも… ■珈香マスター・久保田富夫さん 「いや、おいしい」 思いがあふれる客もいました。 ■常連客(東京から) 「だって45年もさ、続けてきてさ、本人が一番心苦しいと思って」 ■久保田さん 「よかったよ、お前に会えて」 「ゆっくり過ごして下さい」 「わかった」 ■珈香マスター・久保田富夫さん 「45年間を振り返る余裕は、今のところないです。本当にないです。 残りの今日入れて4日間、どうやって、そっちを迎えるかってだけ」 22日からの3日間に全力を注ぐつもりです。 「ありがと」 「ありがとうございまーす」 「元気で」 「いってらっしゃい」 「いってきまーす」 「じゃあね、さんきゅ」