勉強する気にならない 総合型選抜は無理?…「大学受験カウンセラー」に寄せられる悩みとは?
塾や予備校が提供するサポートの一つに、大学入試に関するさまざまな相談を受ける「カウンセリング」があります。実際に利用する人は、どのような相談をし、どんなアドバイスを受けているのでしょうか。予備校のカウンセラーに、よくある相談事例や家庭でできるサポートについて聞きました。 【写真】慶応女子大生、俳優との両立 大学生になって良かったことと心残り
「専門カウンセラー」がサポート
高校での文理選択から志望校や学部選びなど、大学受験までの過程には重要な「選択」の場面がいくつもあります。入試方式が年々複雑になり、「大学ごとに出願要件や日程が異なり、調べ切れない」という受験生や、「自分の頃の大学受験とは違っていて、アドバイスできない」と悩む保護者も多いようです。 迷ったときは、プロの意見を聞くのも一つの方法です。近年は生徒一人ひとりの個性を把握しやすい少人数制の塾や予備校を中心に、「進路カウンセラー」「学習カウンセラー」を置くところが増えています。 大学受験や海外留学などの講座を開講するトフルゼミナールも、受験全般の相談を受け付ける「専門カウンセラー」を取り入れています。中1から高3まで、幅広い学年を対象にしています。 長年カウンセリングを担当している犬塚泰輝(やすあき)事務局長は、次のように話します。 「志望校や入試方式といった具体的な相談のほか、『大学で学びたいことがない』『勉強する気が起きない』など、学習そのものの悩みにも対応しています。最近は、『学校の進路相談で一般選抜を勧められたが、年内入試は無理ですか』といった相談も多いですね。相談者は生徒一人でも、親子でもいいし、保護者のみでも構いません」
プロの観点でアドバイス
実際のカウンセリングでは、どのような相談がされているのでしょうか。犬塚さんに、よくある相談事例と、家庭での声がけにも役立つアドバイスのポイントを聞きました。
【相談例①】留学などアピールできる経験がないので、総合型選抜への出願は無理でしょうか。
●アドバイスのポイント: ・総合型選抜は、特別な経験がなくても出願できる。 ・入試方式は「なんとなく」ではなく、正しい情報とすべての選択肢を理解した上で決める。 入試方式も含め、大学受験で最優先すべきは、本人の希望です。ただ、情報不足や間違った情報によって年内入試をあきらめている生徒や、なんとなく「こっちの方が向いていそう」と判断している生徒もいるため、カウンセリングでは本人の希望とその根拠を確認し、情報を補足・修正した上で、再度どの方式を選択するかを考えます。 「総合型選抜への出願に、特別な経験や実績が必要とは限りません。総合型選抜で大事なのは、大学教員が教えたい内容と、受験生が学びたい内容が合致すること。学びたい分野がはっきりしている生徒は、それを書類や面接で直接アピールすれば、合格の可能性は十分あります。入試まで時間がある高校1年生のカウンセリングでは、本人の学習意欲や志望校の出題傾向を見ながら、『年内入試と一般選抜の両方を視野に入れて頑張ってみよう』と提案することもあります」