充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20へ試乗 213psと5速MTに620kg 過去1番に快適!
シリアスなキャビン とても低い着座位置
キャビンは、特別仕様としてゴージャスに仕立てたと主張されるが、相対的なもの。シリアスな雰囲気は変わりない。シートは柔らかく、座り心地が良い。フロアにはカーペットが敷かれ、センターコンソールはソフトレザーで包まれている。 ダッシュボードはカーボンファイバー。アルカンターラが各所に用いられ、シリアルナンバーの入ったプレートが光る。荷室は、モヘアの内張りで仕立ててある。 ワイドシャシーだから、身長が高めの筆者でもコクピットは快適。ペダルボックスにも充分な空間がある。ペダルの間隔が離れていて、小ぶりなスニーカーを履いて挑んだのだが、ヒール&トウはしにくかった。 ステアリングホイールはモモ社製のレザー巻き。シフトレバーのストロークは、量産車最短といえるかも。正面には必要なアナログメーターと、ヒーターのスイッチ、12Vのソケットが整然と並ぶ。 ソフトトップは、指が痛くなる止め金具で固定する。これは、筆者が子どもの頃から変わらないが、新しいだけあって張りが強く雨漏りはしにくい。 フロントガラスの付け根には、曇らないように送風口がある。サイドミラーはドアに固定され、走行中の調整は難しい。4点ハーネスが標準装備で、着座位置はとても低く、対向車がロービームでもかなり眩しい。
0-100km/h加速3.9秒 気持ちの良い5速MT
というわけで、雨で濡れた12月の公道へ。2.0Lエンジンは、セブン 420と同じチューニングだという。車重は620kgしかなく、5速MTは極めてスムーズ。0-100km/h加速を3.9秒でこなせる。最高速度は、218km/hに届くそうだ。 パワーバンドは高域側にある。回転を引っ張ってシフトアップすると、とても速い。 低域でもレスポンスに優れ、リニアに速度は上昇するが、高速道路での追い越しは3速の方が妥当。ただし、サスペンションはしなやかに動くのだが、ウェットではトラクションが抜けやすい。回し過ぎには注意が必要だ。 この時代に、気持ちの良い5速MTを操れることがうれしい。マツダの技術者は、素早く滑らかに変速できることに関して、相当な知見を有している。きっと、愛車のセブンで早朝の峠道を流している人物が、日本にいるに違いない。 指摘するなら、低速域ではギアの遊びが大きいように感じられた。ワーンという唸りも聞こえる。 3枚のペダルの重さは、一貫していて理想的。ブレーキは頼もしく、足を支える支点にもなる。アクセルペダルの位置を、見誤らなければ。 駐車時などは、小さなステアリングホイールがかなり重い。ロックトゥロックが2回転もないから、仕方ないといえるが。速度が増すと軽く転じ、反応は極めて正確。直進性にも優れている。 乗り心地は素晴らしい。バネ下重量が軽く、路面との追従性にも不満はない。