扶養内パート勤務の40代。職場で「年収240万円」の地域限定社員になると、“将来の年金額”はどれだけ増える?「地域限定社員」のメリット・デメリットも解説
正社員・パートなどさまざまな働き方の選択肢が広がりつつある近年、地域限定社員(エリア社員)での採用を行う企業もあります。 パート勤務から地域限定社員になった場合、年収が上がるほかにどんなメリット・デメリットなどがあるのでしょうか。本記事で、地域限定社員の特徴などを解説します。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
地域限定社員とは?
地域限定社員(エリア社員)は、企業によって細かい内容が異なりますが、転勤が無く一定の地域を勤務地として働く正社員です。 このほかに、仕事の範囲を限定する「職務限定正社員」、勤務時間を限定して時間外労働(残業)があることを就業規則で定めていない「勤務時間限定正社員」制度を導入している企業もあり、これらの限定正社員制度を総称して「多様な正社員」と呼ばれます。 厚生労働省が令和6年に公表した「多様な正社員及び無期転換ルールに係るモデル就業規則と解説」によると、2022年の調査で「多様な正社員」制度は18.3%の企業で導入されており、このうち勤務地限定が9.6%、職務限定が9.8%、勤務時間限定が7.5%です(複数回答のため、3つの制度を重複して採用している企業も含まれます)。
地域限定社員になることでのメリット・デメリットは?
地域限定社員になることでのメリット・デメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。 <メリット> 扶養内パート勤務よりも収入が上がり、将来に受け取れる年金額も上がります。 独立行政法人労働政策研究・研修機構の「多様化する労働契約の在り方に関する調査(企業調査、労働者WEB調査)結果(2022年)」によると、「多様な正社員」の基本賃金の水準を、通常の正社員と同じと定めている企業が約44.5%で、その次に「正社員の9割程度」とする企業が約16.7%でした。 そして、働きたい地域で働き続けることができるため、家庭の事情などで転勤が難しい人も長く働き続けられます。それによって、例えば地域限定社員が勤務地の行事・祭事に合わせた品ぞろえなどを提案し、地域のニーズに合うサービス提供や顧客との取引を長く続けられることも可能です。 <デメリット> デメリットとしては、企業の業績低下や事業の廃止などに伴う解雇・配置転換が行われるケースもあることです。厚生労働省の調査によると、約6割の企業が「正社員の取扱いと全く同じく、できる限りの雇用維持努力を行う」と回答しています。