「横須賀での思いは忘れない」DeNA山本祐大、ファームで泥に塗れた日々を胸にハングリー精神で掴む日本一のキャッチャーの座
印象的だったのは7月17日、チャンスの場面で広島の森下暢仁との対戦で粘りながら9球目をライトにヒットを放ったケースで「すごくいろんな球を投げられて、いろんな攻められ方をしたんですけど、うまくついていけたかなっていうのは感じます」と笑顔。「もうなんとかしたいっていう気持ちがあったので、なんとか全部食らいついていこうとは考えていました。右方向のヒットは自分の長所だと思ってるので、良かったですね」と心と技で放った一打は、確かな成長を感じさせた。 また「ヒットが全てじゃないので、後ろにつなぐってところに関して、フォアボールももっと見極めながらやっていきたいなっていう風には思ってます。打席での内容の濃い日が増えれるようにと思っています」とフォア・ザ・チームの方針は、今後も追い求めていくポイントと明言した。 守備面については「盗塁阻止に関して、去年よりもいい感じで今のところ来れてる」とここまで盗塁阻止率.413と自慢の“鬼肩"に満足げ。しかし「ブロッキングとかに関してはまだまだやっちゃう時もあるので、ピッチャーの方に申し訳ないなと思っています」と反省し「もっとうまくできる方法があるんじゃないかなと、本当に試行錯誤しながら毎日やってます」と日々研鑽を積む。 ピッチャーに対しては「やっぱり気持ちよく投げてくれるのが僕は一番だと思ってます」と気配りを欠かさない。それには「やっぱりピッチャーが気持ちよく投げてる時ってバッターは嫌なんすよね。僕も打席に入っているとき、それがすごく嫌なので。 ピッチャーの気持ちよさみたいなのが薄い時は、こっちに付け入る隙を突ける時があるなと思うので、そこは心がけてやってるところですね」と打者目線、捕手目線と広い視野を持ってゲームに入っている点も、ストロングポイントのひとつとなっている。 2年前のチャンスは打撃不振でファーム落ちし、昨年も前半は殻を破れなかった山本祐大。たった1年間で一気に変わった景色にも「今は見られてる立場ですし、そういった自覚を持たなきゃいけないなっていうのはすごく感じてます」と慢心は皆無。ドラフト9位指名ながら、たゆまぬ努力でたどり着いた現在地。「横須賀での思いは忘れないですよ」泥に塗れた日々を胸に、背番号50は横浜ドリームを追い求める。 取材・文●萩原孝弘
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