ISS長期滞在中のスターライナー宇宙飛行士に健康不安の報道–NASAや本人は否定
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士Suni Williams氏は、タブロイド紙で報道されていた健康不安を否定した。 先週Daily Mail(デイリーメール)とNew York Post(ニューヨークポスト)は、Williams氏の健康状態が悪化している可能性があるとの記事を掲載。医師の意見を紹介しながら「やつれて見える」との見解を伝えていた。 NASAはこれらの主張をすぐに否定し、現在ISSに滞在しているWilliams氏を含む4人のNASAの宇宙飛行士の健康状態は良好だと述べた。Williams氏本人も「体重はここに来た時と同じだ」と、ビデオインタビューで述べている。 Williams氏は微少重力下での筋肉量や骨密度の低下を防ぐために、ISSでエアロバイクやトレッドミル、ウェイトリフティングなどのトレーニングを行っている。「ウェイトリフティングにより太ももが少し太くなり、お尻も少し大きくなった」(Williams氏) Williams氏とButch Wilmore氏はBoeingの宇宙船「Starliner」の有人飛行試験(Crewed Flight Test:CFT)として6月にISSに到着。ISSの滞在予定は当初1週間程度だったが、Starlinerに乗船しての帰還が不安視されたことで2025年2月まで第72次長期滞在クルーとしてISSに滞在することになっている。 Williams氏は1965年生まれ。1983年に高校卒業。1987年に米海軍兵学校卒業後、海軍少尉に着任。1989年に海軍飛行士。1994年から海軍のテストパイロットも経験している。1998年にNASAの宇宙飛行士に選抜。2006年12月~2007年6月と2012年7~11月の2回、ISSの長期滞在クルーの経験がある。
塚本直樹