週給30万円? オーストラリアの「交通整理バイト」が“教師の収入”を上回っているのは本当か
ロリポップレディって何者?
「ロリポップレディ」と呼ばれる人たちをご存じだろうか。ロリポップとは、長い棒の先にアメが付いた菓子、いわゆるペロペロキャンディのことだ。ロリポップレディというのは、豪州などの英語圏の国々で、ある職業についている女性を指す。男性の場合は「ロリポップマン」。彼らがまるで巨大なペロペロキャンディを手にしているように見えることからついた愛称だ。 【画像】えっ…! これが「ロリポップレディ」です(計13枚) 彼らが手にする等身大ほどの巨大なペロペロキャンディ――に似ているもの、それは 「道路交通標識」 だ。通常は道路わきに恒久的に設置されている道路標識と違い、ロリポップレディやロリーポップマンたちは、必要な場所で必要な時に「STOP(止まれ)」などと書かれた標識を持って道路に立ち、通行人や車に示すという、いわば 「人力の可動式道路標識」 なのだ。スクールゾーンで交通整理をするいわゆる ・緑のおばさん ・緑のおじさん のような仕事、というとわかりやすいかもしれない。違いは、緑のおばさんたちがボランティアであるのに対し、ロリポップレディたちは、きちんと雇われ、対価を支払われて仕事をしている点だ。 正確には 「クロッシングガード = 交通整理員」 と呼ばれ、工事現場などで作業灯を手に車や通行人を誘導する警備員に近い仕事だが、豪州のロリポップレディたちは、教師や看護師以上の高給取りなのだという。
豪州のロリポップレディのバイト代
豪州のロリポップレディが信じがたい金額を稼いでいると一躍脚光を浴びたのは、シドニーのある若い女性が「1週間で3000ドル稼いだ」とSNSで投稿したことがきっかけだ。3000豪ドルといえば、現在のレート(1ドル = 103円、2024年5月12日時点)で 「30万円」 を超える。月給ではない、“週給”だ。 彼女は、ロリポップレディの仕事に従事したある一週間の成果を動画サイトに投稿したのだが、それが仰天の稼ぎっぷりなのだ。 日当は勤務時間の長さによって変動するものの、彼女の1日の稼ぎは平均で500ドル前後(約5万円)であり、週6日働いて約3000ドル(約30万円)をゲットしたわけだ。たった15分しか勤務しなかった日でも148ドル(約1万5000円)もの日給を手にしている。一番稼いだ日は日給727ドル(約7万5000円)にのぼる。 例えば、日本人が時給1500円で週6日1日8時間働いたとしよう。それでも合計の週給は7万2000円だ。ギリ負けているではないか。 彼女の投稿は「そんなバカな」「ぼったくりじゃないのか」と炎上したが、その本音は悔しさや羨望(せんぼう)だったようだ。その投稿をきっかけに、「実は私もこれだけ稼いでいる」という投稿が相次ぎ、豪州のロリポップレディは稼げると参入者も増えた。なかには、自分は教師だったがこっちの方が稼げるので、教師を辞めてロリポップレディに転職したという人まで出てきた。 ロリポップレディのこのおいしい話は、本当だったのだろうか。