「高捜庁ではなく“空捜庁”」 「次失敗したら廃止」 なかなか尹大統領を逮捕できない韓国捜査当局に世間から「無能」と批判が殺到
1月7日に尹錫悦大統領への拘束令状が再発布され、大統領公邸前には連日、厳寒の中、弾劾に反対、賛成する双方が集結し、緊張が高まっている。 【写真】尹大統領の支持者もここへきて盛り上がりを見せている 3日の執行に失敗したオ・ドンウン高官犯罪捜査庁(高捜庁)長は、「2次の(拘束)令状執行が最後という非常な覚悟で徹頭徹尾準備する次第」(京郷新聞、1月7日)と国会で語り、人員を2倍に増やし、高度の訓練を受けた警察の刑事機動隊の投入などを検討していることが伝えられた。また、警察は公邸にいる大統領警護庁職員を特殊公務執行妨害で現行犯逮捕することも念頭に入れていることが報じられている。
■尹大統領が執行に応じてこない理由 一方、尹大統領側は一貫して、高捜庁には「内乱罪(国家権力の排除や、憲法秩序などを著しく乱すことを目的として暴動などを起こす)」の捜査権がなく、捜査自体が違法であるという立場から、二次執行にも応じない構えを見せている。大統領公邸には映画さながら車壁が作られ、鉄条網が張り巡らされるなど要塞化している様子がメディアに映し出された。 8日には、野党議員が「尹大統領が公邸から逃走しているという情報がある」と話し、SNSで瞬く間に広がり、大騒ぎに。
しかし、その日、公邸で警護のチェックをしていると思われる尹大統領の姿が進歩系メディアのカメラによって確認されている(大統領室は軍事主要施設を無断に撮影したとしてこのメディアを告発している)。 野党「共に民主党」は8日、高捜庁、警察に必ずや尹大統領を拘束するよう鼓舞し、チェ・サンモク大統領代行を職務遺棄として警察へ告発した。 野党は、公邸にいる警護庁職員へ執行に協力するよう指示することを求めたが、チェ代行が何ら介入しないという原則を固持しているためだ。さらに、6日、大統領の私兵となっているとして警護庁の廃止を国会へ発議もしている。
■足並みが揃わない捜査当局と警察 高捜庁はこれまで3回にわたって尹大統領に捜査に応じるよう求めたが、尹大統領側はこれを黙殺。ついに12月31日に拘束令状の請求に踏み切った。 年が明けた2025年1月3日、未明から高捜庁が執行を試みる様子がライブ放映されたが、公邸の警護庁職員に阻まれ、5時間半でぞろぞろと撤収する姿が映し出された。令状の期限が切れる6日にも注目が集まったが、その土壇場で高捜庁は、執行は警察に一任すると迷走した。