「高捜庁ではなく“空捜庁”」 「次失敗したら廃止」 なかなか尹大統領を逮捕できない韓国捜査当局に世間から「無能」と批判が殺到
一方、大統領側につく警護庁長は、「大統領の絶対安全確保が警護庁の存在価値」(東亜日報、1月9日) と語っており、二次執行の際、銃撃戦まで起こるのではないかという不安な声も聞こえてきた。 ■「人間の底を見ているようでとてもつらい」 この混乱の中、与党「国民の力」の支持率は上昇の気配を見せ始めた。非常戒厳令時には予想もしていなかったこと。野党の大統領への無理な追い込みが保守支持層の結束を生んでいるとも分析され、直近では、野党「共に民主党」37%、与党「国民の力」36.3%と接戦状態になっている(世論調査専門機関「ハンギルリサーチ」1月8日)。
二次の拘束令状の執行はまもなく行われる。高捜庁はその期限について明らかにしていないが、更新という形から前回の7日よりも長いことが予想されている。 こうした様子を見ていると、尹大統領も、与・野党も、そして各機関も自身の保身しか考えていない。保守系の弁護士はこんなことを言っていた。 「非常戒厳から弾劾訴追、そしてこの令状の執行に至るまで、人間の底を見ているようでとてもつらい」
菅野 朋子 :ノンフィクションライター