Z世代に聞く、忘年会・新年会で「上の世代がやってはいけない行動」。酒で豹変した先輩に蛙化…「若い力を借りたい」にうんざり
2年目でも「飲み会未経験」
あれはダメ、これはイヤだ……と言いたい放題のZ世代だが、そもそもこうしたイベントが受け入れられていないのではないかと聞くと、そうでもないようだ。共通していたのは、「忘年会や新年会すらないとなると不安になる」という意見だ。調べていく中で、新卒2年目でも「部内の飲み会は未経験」と話す者にも出会った。 「リモートワークが基本で、業務はルーティン化しているのでMTGもほとんどなくて。部署に配属されて2年目ですが、全く仲良くないです。飲み会における愚痴トークがうらやましい」(銀行系・Eさん) 東京商工リサーチの2023年の調査 によると、忘年会・新年会を「実施予定」と答えた企業は54.4パーセントにとどまり、「コロナ禍前は実施していたが、コロナ禍の今回は実施しない」は21.8パーセントとなった。 後者と回答した理由としては、「開催ニーズが高くないため」が53.8パーセント、「参加に抵抗感を示す従業員が増えたため」が42.2パーセントだった。 だが、周りの新卒1~2年目に限れば、面倒という意見は聞くものの「必要ない」と答える人はおらず、忘年会はむしろ求められているという印象だ。 実際、匿名キャリア相談プラットフォーム・JobQによる2023年の忘年会意識調査によれば、今年の忘年会には20代の約6割が参加したいと回答している。調査担当者は、「忘年会慣れしていない新卒世代がこの数値を後押ししている」と話す。 一方で、「席順やお酌の文化など飲み会マナーを面倒に感じる若い世代も多い」と分析する。同調査では、飲み会文化の継続については20代は世代別トップの53.2パーセントが不要と答えていた。お酌の文化については、新卒世代には「年下というより気づいた人がやるべき」という風に捉えられているようだ。 「年下だからというよりは、気づかいができる人でいたいっていう意味では、同じ席の先輩にお酌することに抵抗感はありません。 だから仮に後輩ができなくても『お酌ができない子』という評価は下さない。それは本当にくだらない価値観だなと思っちゃいます(笑)。 お酌をきっかけに会話が生まれたり、1年の感謝を伝える機会になったりするから、そういう意味ではいい機会かなって」(コンサル・Aさん) さらに、「ダラダラと続く飲み会」へ疑問を投げかける声も多かった。 「終わりが見える飲み会かどうかが大事。金曜じゃなくて平日で、サクッと2時間ならすぐ帰れるし。2軒目に行く雰囲気が出てくると、断りづらいです」(メーカー・Dさん) 自慢話はせずに、若さを理由には持ち上げず、プライベートな話題をする際は断りを入れる。できれば少人数での席を設けて、2時間コースで終わらせる。タイパ重視のZ世代の価値観は、ここでも垣間見られた。
荒幡温子