日鉄株が軟調、USスチール買収計画に否定的なトランプ発言を嫌気
[東京 7日 ロイター] - 日本製鉄の株価が逆行安となっている。トランプ次期米大統領が自身のソーシャルメディアへの投稿で、日鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に否定的な考えを述べたことが伝わり、嫌気されている。株価は一時2.1%安の3091円に下落した。 トランプ氏は「関税によってUSスチールはもっと収益性の高い価値ある企業になるのに、なぜ彼らは今、買収されたいのだろうか」と指摘。市場では「トランプ氏の大統領就任によって状況が好転するとの思惑を後退させる材料として、短期的な売りが強まったようだ」(国内運用会社のファンドマネージャー)との声が聞かれる。 日鉄株は6日、バイデン米大統領が安全保障上の懸念を理由に日鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画の中止を命じたことを嫌気して軟化したが、トランプ次期大統領の判断で状況が覆り得るとの思惑が支えの一つとなり、下げは限定的だった。 日鉄は6日、USスチール買収計画に不当介入があったとして、米大統領の買収禁止命令や対米外国投資委員会(CFIUS)の審査の無効を求める訴訟などを提起したと発表。きょう午前に橋本英二会長が開いた会見後、株価はやや下げを強めた。市場では「目新しい材料が見当たらず、改めて売られたのではないか」(同)との見方が聞かれる。