西日本指折りのラーメン激戦県、京都。ラーメン官僚が今推す背脂醤油、担々麺、冷めん
甘み・辛み・酸味の三味と挽き肉の香ばしい味わいとの相乗効果で味蕾を陶酔させる、四条大宮の名店「担担」に似たタイプの1杯。精肉店のプロデュースだけのことはあって、挽き肉の完成度の高さは特筆に値するものがあり、麺に挽き肉を絡めながら啜り続けている内に丼が空っぽになってしまっていた。 テイストは、一般的にイメージされる担々麺とはやや異なるが、同店のような担々麺は、「担担」を筆頭に、京都においては一定の市民権を獲得しているところ。これもまた、「ご当地麺」の一種だと捉えることもできるだろう。ぜひ一度、ご自身の舌で味を確かめてもらいたい。 匹十(ピート) 住所:京都市中京区西ノ京南聖町21-52 営業:11:30~14:30LO 土日祝は15:00LO 定休:水曜
名店③ 全国からファンが集う町中華「中華のサカイ 本店」
続いて紹介するのは、「中華のサカイ 本店」。 場所は、京都市営地下鉄烏丸線・北大路駅から徒歩15分程度。先に紹介した2軒ほど最寄り駅から近くはないが、決して歩けない距離ではない。私も同店には北大路駅から徒歩でアクセスしたが、京都市郊外の長閑な街並みに目を奪われながら歩みを進めている内に、いつの間にか店の前に辿り着いていた次第だ。 さて、同店の創業は1939年(昭和14年)。京都市のラーメン店の草分けとされる「新福菜館」とほんの1年しか違わない歴史を誇る老舗だが、創業当初は喫茶店としてスタートし、その後、洋食店を経て、戦後に中華料理店へと業態変更したとの経緯を有する。 地元・紫野を代表する「町中華」の名店にして、同店の味に魅せられたファンが全国各地から集う実力店でもある「中華のサカイ 本店」。私が訪問したときも、店内は満席で、入店するまでに小一時間を要したほどの人気ぶりを博していた。
「中華のサカイ」は「町中華」なので、提供する商品は「中華そば」「ネギラーメン」「焼そば」「揚げそば」といった麺メニューから、「やきめし」「天津飯」「中華飯」といったご飯ものにいたるまで多種多様。が、お客さんの大半が注文するのは、「冷めん」だ。まさに、この「冷めん」こそが「中華のサカイ」を全国的な名店へと押し上げた立役者にほかならない。 同店の「冷めん」とは、いわゆる「冷やし中華」をベースに独自のアレンジが施された一品で、春夏秋冬を通して提供される不動の看板メニュー。