西日本指折りのラーメン激戦県、京都。ラーメン官僚が今推す背脂醤油、担々麺、冷めん
スープをひと口すすると、その確信が「正解」であることが証明される。黒さつま鶏などの地鶏や黒豚から丁寧に出汁を採ったスープは、すする度にクリアなうま味が味覚中枢をノックする渾身の仕上がり。 合わせる太縮れ麺のモッチリとした口当たりも、食べ手に鮮烈な印象を刻み込む。 自家製麺とスープの相性も、すこぶる良好だ。ちなみに、私は「わんたん醤油らぁ麺」をいただいたが、ワンタンも餡がぎっしり詰まった肉厚仕様で、衣と麺とが奏でる「小麦と小麦のハーモニー」も、実に官能的な旋律を紡ぎ出していた。 2023年に開業したばかりの若い店であるが、ラーメンの味わいは、既に一流の域に到達している。今、京都市を訪れるのであれば、必ず、押さえておきたい店のひとつだろう。 らぁ麺や ふぢとら 住所:京都市右京区太秦安井辻之内町15-7 営業:11:00~14:00/18:00~20:00(夜は水~土のみ) 定休:火曜
名店② 精肉店プロデュースの坦々麺が看板メニュー「匹十」
続いて紹介するのは、「匹十(ピート)」。店舗の場所は、JR山陰本線及び市営地下鉄東西線の二条駅から約300m。JR二条駅はJR京都駅からも近く、改札から3分も歩けば店に辿り着けるのでアクセスは良好だ。 2014年8月にオープンした同店は、オリジナリティ豊かな店舗が軒を連ねる、京都を代表する老舗商店街「京都三条会商店街」の一角に位置する。 町家をリノベーションした飲食店など計180軒もの店舗が軒を連ね、同商店街自体が観光名所となるほどの知名度を有するが、「匹十」は、そんな商店街の千本通り寄りの場所に佇む。注意深く観察しなければ、およそラーメン店だとは判らない個性的な外観が印象深い店舗だ。
「担々麺」と「焼肉どんぶり」を2大看板商品として掲げる人気店で、提供する麺メニューは、「担々麺」と「牛カレーそば」の2種類。担々麺とカレーラーメンの2品を揃えるラーメン店は珍しく、しかも、提供するのがその2品のみというラーメン店はさらに珍しい。全国広しといえど、そんな店は「匹十」以外には存在しないのではなかろうか。 看板麺メニューは、上で述べたとおり、メニューリストの筆頭を飾る「担々麺」。