本場スコッチも ウイスキー復調の背景は
スコッチに学び成長を遂げた日本のウイスキー
ちなみに、2013年度のWWAでベストブレンデッド賞を受賞したのは本坊酒造の『マルス モルテージ3プラス25』。1872年に鹿児島で創業した同社は、1949年にウイスキー製造免許を取得、鹿児島、山梨の各蒸留所を経て、1985年から長野県上伊那郡の信州蒸留所で高品質のウイスキーづくりに取り組んでいます。こうした小規模ながら上質で個性的な「地ウイスキー」を手がけるマイクロディスティラリー(小規模蒸留所)のひとつが、埼玉県秩父のベンチャーウイスキー。焼酎などを製造していた東亜酒造の3代目・肥土伊知郎氏が2004年に設立した会社で、同社の『イチローズモルト』はWWAでも受賞歴を重ねています。 スコッチウイスキーに学び、成長を遂げたジャパニーズウイスキー。国内に多くの蒸留所が存在し、他社の蒸留所とも原酒を交換・ブレンドできる体制のスコッチと異なり、ひとつの蒸留所が数々の原酒を育て、ブレンドする高度な技術を磨きあげてきたことも特徴です。流行のシングルモルトウイスキーは、同一の蒸留所でつくられたモルト原酒だけを使ったウイスキー。繊細かつ玄妙なジャパニーズウイスキーの味わいは、そのあたりにも由来するようです。 (文責・武蔵インターナショナル)