産休とっても「戦力になるって証明する」 リスキリングに追われ…「ワーママは成長教に入信している」
私は、産休育休をとっても戦力になるって証明する――。会社員として働く32歳のナナセは、仕事に復帰してそう誓います。人気マンガ「夫は成長教に入信している」を描いた紀野しずくさん(原作)・北見雨氷さん(作画)が、働く女性「ワーママ」を主人公に、「〝ワーママ〟は成長教に入信している」を描きました。4回連載の1回目です。 【マンガ】育休中はリスキリング、復帰後は仕事を自宅に持ち帰り…ワーママの〝成長教〟
「休み中にもスキルアップ!」
「成長教」とは、どんな時でも成長を意識し、理想を追い求める宗教――。 独身だった28歳のころの主人公・秋野ナナセ。時短で帰るワーママの〝尻ぬぐい〟は、自分に降りかかってきました。 「迷惑」などと陰口をたたかれ、責任ある仕事から外されていく…。 私は、結婚しても、子どもができても、産休育休をとっても「戦力になる」って証明する――。 そう考えていたナナセは、「育休中でも受けられる研修があるんだけどどうかな?」と誘われると、すぐに「受けます!」と返信。 「リスキリング」という言葉に追われ、「絶対に成長してやる」と誓っていました。 育休から復帰しても、「仕事のクオリティーは絶対に下げない」と自分を追い込み、子どもを寝かしつけた深夜、暗い部屋でノートパソコンをたたくのでした。
育休中も「休みなく走り続けないと」
マンガ「ワーママは成長教に入信している」原作者の紀野しずくさんは、次のように語ります。 「仕事おわらないー!」 当時の私は仕事に邁進しつつ婚活に明け暮れていました。 申し訳なさそうに時短勤務で帰る先輩を見つつ、流れてきたネットニュースは「育休復帰は居場所がなくなる…」という記事でした。この先もずっと大変なのかと気持ちがふさぎました。 いざ結婚して出産し、育休に入ろうとすると「資格とったよ!」「ボランティアに励んでいる!」という友人たちからのメッセージ。なんだか休みなく走り続けないといけないなーという気持ちに駆られたものです。 個人の努力で環境を改善していくには限界があります。そもそも、社会や会社の仕組みが働くお母さんを追い詰めている…そんなメッセージをこのマンガを通して伝えたいです。 <原作:紀野しずく(きの・しずく) 北海道生まれ。マンガ原作者。noteで連載していた成長教をきっかけに、コミックDAYSにて「夫は成長教に入信している」を連載(https://amzn.to/3UeUHzc)する。Xアカウントはhttps://twitter.com/kino12kino3> <作画:北見雨氷(きたみ・うひょう) 北海道生まれ。北海道で教員をする傍ら、漫画制作を行う。コミックゼノン第二回一芸突破漫画オーディション「父のあかり」でデビュー。2021年に教員を退職し、本格的な創作活動に入る。代表作「夫は成長教に入信している」で作画担当>