〈わいせつ保育士に懲役14年判決〉ネットは「男性保育士いらない」の声…それでも現場が「必要」とする理由とは
必ず保育士が2人以上で、は無理?
採用時の判断が難しいとなると、職場でトラブルが起きない体制にするのはどうだろうか。学校や学習塾などで、異性と2人きりにならないように子どもに教えるのも自衛手段の一つだ。保育園の保護者が気にするおむつ替えや着替えなども、複数の保育士が立ち会う体制にできるように思うが…。 「保育園の持ち場で、保育士が1人になってはいけないというのは、難しいですね。保育士が何人かその場にいると犯罪の抑止力になるとしても、人手が足りない保育園だったら無理かなと思う。 比較的、働く人の多い公立の保育園でも、やっぱり1人になることはありました。お昼寝のときとか、保育士が交代で休憩を取り、1人で見て回ったりする。常にというわけではないですが、1人で見なければいけない時間帯は必ず出てきます」 それでも、「男性保育士を雇わない」という考えはおかしいと、この女性保育士は考える。 「やっと男性保育士が増えてきた。この数十年、年月をかけて、ようやく男性保育士が普通になってきたのに、安全を意識しすぎて雇わなくなるのは、せっかく積み上げてきたものがなくなるような感じがします。 力仕事とか、高いところに手が届くとか、不審者の侵入に対する防犯の対応や、ヤンチャな子の対応など…。ほかに、男性保育士がいると精神的に助かる部分も大きいんです」 男性保育士がいることで、職場の空気も変わってくるという。 「誤解を恐れずに言えば、現状の保育現場は女性中心の職場が多く、人間関係がギスギスしがちです。私も、転勤先で男性の上司がいない園もありました。用務の高齢男性でも、男の人がいると職場の空気が変わって、優しくなれる。確かに、女性だけでも頑張れば何でもできますよ。今だって精一杯、男並みにみんな闘っています。 それでも、男の人が職場にいるというのは健全だなと思います。表現が難しいですが、男女バランスよくいるといいですね」