日本郵政グループ、増田新社長らが会見(全文6)誰も引き受けないだろうなと思った
一度は断ったというのは事実か
朝日新聞:朝日新聞の井上と申します。増田社長にお願いします。1つずつお尋ねしますが、先ほどの就任経緯の関係で、ちょっと追加でお尋ねしたいんですけれども、一度は断ったということは、これは事実でしょうか。それと、誰がやっても難しいという状況の中で、なぜ引き受けようと思ったのかというところをまず教えてください。 増田:断りました、一度は。それからあともう1個は、なぜそれでも引き受けたか。それはやっぱり、置かれた状況で、やっぱりやらなければいけないなと。そこはなんと言うか、なかなか言いがたいところがありますけれども、私、あのころはインフルエンザで相当、高熱を出して寝てたときであるんですが、ですから情報もかなり限られていましたけど、しかし、ここまでいくと誰も引き受けないだろうなという気がして、今までの、外からでありますけれども関わった経緯を生かさなければいけないかなというふうに思いましたんですが。 いずれにしても、とにかく決めた以上はそういうことは、断ったとかそんなことは関係なくて、とにかく与えられたこういう職できちんと国民の皆さんに期待を応えなければいけない。これまでの経緯とかいうことは全部忘れて、それから私の経歴とか経験も忘れて、一からまた取り組まなければいけないという、今、思いであります。
どのような意識で社長業に臨むのか
朝日新聞:それと、長門前社長は外部登用の社長について、落下傘であるとか雇われマダムというような表現をして、ある意味、部外者ということを強く意識されていたようなんですけれども、増田社長が社長業を行なうに当たって、どのような意識で行なうのでしょうか。 増田:私自身もそういう、長門さん流で言えば部外者なのかもしれませんけれども、組織は部外者と、それから内部の人とがうんと混ざったほうがたぶんいいんじゃないかと思うんで、私は私で郵政に生え抜きでない経験をもっと生かせるんじゃないかと。それからお2人はまさにスタートのときから郵政に携わってきて、内部の中で、実績で登用されてきた、そういう人たちと一緒にチーム組んでやっていけば、今の事態を対処するのにいい組み合わせなんではないかなというふうに思います。 私自身は知事のときもそうですし、今まで携わったマネジメントの組織っていうのはだいたい、そういう意味では落下傘とか外部登用とかいって、そういう言い方があるとすればそれにふさわしいような、というか。岩手県庁にいったときも中で1人の知り合いもいないぐらいの状況でしたけれども、むしろそれが組織のいろいろな立て直しや切り回しのときに貴重な戦力になるということが、私はこれから多いんじゃないかと思います。