「水をたくさん飲んでいる人」こそ脱水症状に注意⁈ "水分補給"のポイントを専門家が伝授
連日続く猛暑の中では、当然のように水分補給が重要な項目になってくる。しかし、水分補給とは水だけが大事なのではない。水と電解質のバランスを維持することが鍵になる。 【写真】ケチャップ&マーガリンは、なぜNG...?栄養士が「絶対に食べない」11のもの 「水分補給の意味を誤解し、大量の水を一気に飲んでいる人が多いように思います。ただ水を飲めばいいわけではありません。体に水分を補給するには、水だけではダメなのです」「体が必要とする水分量や、暑い気候の中で失う水分量には個人差があります」と、スポーツ栄養学と摂食障害を専門にする栄養士のエイミー・スティーブンスは述べる。 では、脱水症状を起こしているかどうかは、何をすれば分かるのだろう? スティーブンスは、人は1~2時間おきに排尿し、尿の色は薄い黄色が正常状態の目印だと言う。「もし、何時間も排尿していないようであれば水分を摂取したほうが良いでしょう」 脱水のサインや症状としては、立ちくらみや目まい、不機嫌、いら立ち、疲労、食欲不振、またアスリートの場合は胃や脚のけいれんなどがある。血中のナトリウムが低下しすぎると、低ナトリウム血症を起こす。水は血中ナトリウムを薄めるので、水をたくさん飲んでいる人にも起こり得る。また、長距離ランナーのようなアスリートも、汗をかいて電解質が大量に失われ、大量の水を飲むことでさらにナトリウムが薄められるので、脱水症状を起こす。 そこで、猛暑の中でも脱水症状にならないようにする方法を、スティーブンスがアドバイスする。
いつもの食事スケジュールを守る
暑くなると食欲不振に陥りがち。しかし、「何も食べないとかえって症状を悪化させます」とスティーブンス。だから、いつも通りに食事することがベスト。ただし胃痛を起こさないように、脂肪分が少なく消化しやすい軽めの食品を選ぶよう彼女は勧める。 「水を一気飲みすることが大事なのではありません。食事からでも他のものからでも電解質を摂ることが大事なのです」
電解質の働きを理解する
単に外は暑いからという理由で、スポーツドリンクや水分補給サプリをたくさん摂取する必要はない。体内にはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩素などの電解質があり、体の水分バランス維持などいくつかの機能に重要な役目を果たしてくれているからだ。しかし、汗をかいたり、下痢、嘔吐などによってそれらは失われる可能性があるため(基本的には人間は食事から電解質を摂取できているが)食事から摂取する以上の電解質を失った時には、それらのサプリメントに頼ってみてもいいだろう。 「エアコンが効いた涼しい室内にいて、とくに汗もかかない場合には、電解質を摂取する必要はありません。電解質は汗をかいている時にだけ使われ、失った水分は水を飲むことで置き換えられます」とスティーブンス。 カラッとした暑さで汗をかいていないのに、水分を失っている場合は、電解質や液体で水分補給をする必要があるかもしれない。大量の汗をかいている場合は、塩飴やポテチなど、塩味のスナックを食べれば十分だとスティーブンスはアドバイスする。