“能登で最後の収穫の秋”能登栗に惚れ込み19年…地震を機に能登を離れる決断をした栗農家松尾さん
離れがたい能登への感謝
早朝からの収穫を終えて、山のように積み重なったイガを見る。松尾さんは稲垣に「あのイガの量、1週間分です。先週燃やして一回無くしたんですけど…」と説明をしてくれた。これほど大量のイガが1週間で積み重なるのだから、栗の収穫とはとても重労働なのだと実感する。 「収穫はこれで終わりです」松尾さんがそう言った。その言葉で稲垣アナは、柳田さんの言っていた「ここが松尾さんの、能登に来て最初の畑」という言葉を思い出す。松尾さんが彼にとって最初の畑で、最後の秋を迎えた気持ちを聞いた。 松尾さん: 私の能登での挑戦は、ここから始まりました。ここで死ぬと思っていたんで…(離れることは)本当に信じられないですね。地震がなければ離れなかった。もっともっといい畑にしようとは思っていたので…よく19年持ったなって、よくやったと思いますよ。この地で成長させてもらえたことに本当にすごく感謝ですね この日の収穫を終えて、松尾さんは静岡へ戻る。「能登に、この農園に育ててもらった」と語る。 松尾さん: 能登を離れても自分は能登人か…そうですね、いや本当にそうですよ。そこが静岡に行った一番の決め手なんで、能登の事業を続けられるという…向こうで『こっちの仕事に専念してくれ、能登のことは忘れてくれ』なんて言われていたら、絶対に行かなかった。『能登を見捨てないで済む』というのと、『さらにもっといい方向に行ける』という… 能登の栗の味にほれ込み、移住を決断してから20年近く。栗農家として奮闘した日々は、松尾さんにとって能登という土地を、離れがたい場所にしていた。 松尾さん: 能登から離れがたいですよ。戻りたくないです、本当に… 輪島を離れるが、栗農家として松尾さんはこれからも能登人であり続ける。そんな松尾さんのさらなる活躍を願い、稲垣アナは握手とハグを交わして見送った。 (石川テレビ)
石川テレビ