日銀マイナス金利導入決定 黒田総裁が会見(全文2)今後の政策展開など
中央銀行か独自に原油化価格に見通しを立てることはない
黒田:これは、どこの中央銀行も、それから実はIMF等の国際機関もそうですけども、原油価格自体の見通しを独自に立ててどうこうするっていうことはしておりません。もちろん、IEAという国際的なエネルギーに関する国際機関自体は、これは毎年エネルギー見通しを出しておりますし、随時さまざまな見通しを出しておられますけれど、他の中央銀行も、それからIMF等の国際機関も、基本的には足下の一定期間の平均の価格を起点にして、その後どうなっていくかっていうのが先物市場のデータを使って、原油価格についての推定 を決めるということにしております。私どもも同様な形でやっております。 ちなみに、そういうことですので、各中央銀行も石油価格が予想外に下がったということを踏まえて、必要な国の政策の調整も行っておられます。従いまして、石油価格について、私どもで独自の見通しを立てるというようなことは適切でありませんし、各国ともそういうことはやっておられません。 黒田:はい、どうぞ。 日本経済新聞:日本経済新聞のタキタです。国際金融の関係で1点お伺いしたいと思います。先ほど総裁、ダボス会議について言及されましたが、ダボス会議のシンポジウムの中で、今回の国際金融の動揺の1つの源泉というのか、元である中国について、資本流出が非常に大きな原因であるというご指摘の下に、私見だが、とお断りの上で、資本流出規制について言及されておられると思います。この辺、重要な問題提起だと思いますので、その背景、お考えをお伺いというふうに思います。以上です。 黒田:ご指摘のことは、ダボス会議でグローバル・エコノミック・アウトルックっていうセッションがありまして、IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事、あるいは英国、インドの外務大臣等と一緒に参加した場面での発言でありまして、あくまでも個人的見解として中国の資本規制について意見を述べたわけでございます。 ご承知のように、国際金融のトリレンマというふうに言われておりますけれども、独立した金融政策、為替相場の安定、自由な資本移動、この3つのことを同時に満たすっていうのはできない、難しいということでありまして、私が申し上げたのもこうしたことを踏まえますと、資本流出のリスクが存在する状況の下では、為替相場の安定を維持しながら、国内目的で必要な金融政策を進めていくというためには、資本規制を行うことも一定の合理性があるということでありまして、あくまでも原則論を述べたということでございます。 黒田:はい、どうぞ。 記者C:すいません、マーケットニュースのと申します。今日出た展望レポートの最後のところで、第2の柱の金融政策部分に関して、経済リスクに対して両方とも下振れリスクが大きいというふうに書かれてるんですけども、その展望レポートの11ページを見ると、15、16、17で物価も経済もおおむねリスクはバランスしてるっていう声が多いように見えるんですけれども、これはどういうふうに整合性があるんでしょうか。 黒田:11ページの、展望レポートの11ページは、政策委員の経済・物価見通しとリスク評価ということで、丸印と、白い三角と、黒い三角と、こういうふうになっておりまして、丸はおおむねバランスということで、白い三角は上振れリスクが大きい。黒い下向きの三角は下振れリスクが大きいというふうに考えてる部分でございまして、これを見ていただくと、白い上振れリスクっていうのがほとんどなくて、バランスしてるか、あるいは下振れリスクが大きいっていうのは、かなりありますので、全体として見るとやはり、下振れリスクは大きいというような、こういうことであろうと思います。どうぞ。