日本ハム・新庄監督「札幌ドームが良くないですか」2軍本拠地移転の仰天プラン…球団の認識は!?
鎌ヶ谷市は「何としても本拠地を残してほしい」と考えているのではないか
デメリットを挙げるとすれば、これまでスタジアムを通じてまちおこしをしてきた鎌ヶ谷市が損失を被ってしまうことと、札幌市側が難色を示していることがあるだろう。 前述の通り、鎌ヶ谷市は球団に確認しており、その際の回答は「現段階において、具体的に決定している事項は一切ない」だった。鎌ヶ谷市は「何としても本拠地を残してほしい」と考えているのではないかと推察する。 横須賀市が公表している「日本ハムファイターズ2軍と地元地域・自治体との連携」に関する視察報告書によると、鎌ヶ谷スタジアムがあることによる経済波及効果については「地域の商店会や商工会などがファイターズを応援するのぼりを作成して地域を盛り上げたり、ファイターズの選手のサイン色紙が飾られたお店があるなど、市内の経済効果は多くある」と報告している。この経済効果がなくなるとなれば、鎌ヶ谷市への影響は計り知れない。
秋元市長「ドームだけを使うのはなかなか難しい」
札幌市も難色を示す。秋元克広札幌市長が8月に開いた定例記者会見では、日本ハムの本拠地移転に話題が及んだ。地元紙は「2軍本拠地が道内に移転すれば、札幌ドームの平日利用の促進につながるとの見方もある」などとして2軍本拠地の誘致に関する考えを秋元市長に質問した。それに対し、市長は以下のように回答した。 「内々の話が担当部局にあった。ファイターズが希望するような広さ、あるいは土地利用ができる場所は札幌市ではなかなか難しいことをファイターズも認識していた。どのような形で2軍の施設を整備するのかについては、現時点で私どもは承知していない。ファイターズが考える十分な広さの土地を、札幌市の中で提供していくのは現実的に難しい。それは双方の認識だ。その上で、(札幌)ドームだけを使うのはなかなか難しいのではないか」 「ドームだけを使うのはなかなか難しいのではないか」。秋元市長はこのように難色を示し、冷え切った球団側との関係を表す会見となった。現状、日本ハムの2軍本拠地移転に関する進展はあまりないように見える。ものごとを進めるには、双方が歩み寄るほかはないと考える。しかし、筆者は日本ハムが新本拠地を移転する際、札幌市内から挙がった候補を選んでいない時点で、双方の関係性があまり良くなかったと見ている。 球団と市の「雪解け」はいつになるのか。札幌市民のひとりとして、今後の動きを見守っていきたい。
小林英介
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