【性感染症】感染拡大が止まらない! 身を守るためにできること
Q. コンドームが有効な性感染症は?
●:クラミジア、淋菌、トリコモナス腟炎、HIV、肝炎 ▲:梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ × :ケジラミ ●=コンドーム使用で防げる頻度の高い性感染症 ▲=コンドームで防ぎきれない性感染症 × =コンドームでは防げない性感染症 編:女性同士のセックスではコンドームの使用が難しいと思うのですが、どのようなことに気をつければいいでしょう? 高:女性同士のセックスやオーラルセックスでは、デンタルダムという小さな正方形のラテックスのシートを使うという方法もあります。入手が難しい場合には、コンドームを切ってシート状にしてから性器などを覆うようにして使うといいでしょう。 また、HIVの現状についてもお伝えしたいことがあります。HIVといえば“死を伴う病気”と言われていた時代がありましたが、現在では適切な治療により平均寿命まで生きられるようになってきました。とはいえ、診断を受けないことには治療につながらないので、やはりパートナーが変わったらそのタイミングで検査をしておきたいもの。HIVは同性カップルだけでなく、異性と交際している若い女性にも少しずつ増えてきています。「自分には関係ない」「自分は大丈夫」という油断は禁物です。
セックスの前に互いを思いやる関係づくりを
編:性感染症は特別なものではなく、身近にあるのだと改めて感じました。最後に、高橋先生が考える「性感染症を防ぐための心得」を教えてください。 高:1つ目は性感染症の知識をしっかり持つこと。正しい情報源から得るようにしましょう。ちょっと難しく感じるかもしれませんが、webで調べるなら「日本性感染症学会」や「厚生労働省」の情報は信頼度が高いと思います。2つ目、プレコンセプションの観点からも、性感染症予防は大切です。将来妊娠したいと思ったときに健康な体でいられるように、少し先の未来を想像しながら行動しましょう。3つ目にパートナーができたら、性感染症予防について話し合いができることも大切だと思います。いざセックスをすることになったら理性なんて吹っ飛んでしまうもの。だからこそ、避妊のことも、性感染症予防のことも、お互いに思いやれるような関係になってから進むべきものがセックスという段階なんじゃないかなと思います。 interview&text:Yuko Oikawa illustration:Saki Morinaga Edit:Ayano Homma