【性感染症】感染拡大が止まらない! 身を守るためにできること
知っておきたい、性感染症検査の受け方
編:梅毒は治療で治るということですが、どこに相談すればいいでしょうか? また検査はどこで受けられますか? 高:心あたりがあるときは保健所や医療機関まで相談してください。梅毒は採血検査(抗体検査)で調べます。感染から1年未満の「早期梅毒」は感染力が強いとされていますので、できるだけ早い段階で検査を受け、適切な治療を受けていただきたいです。梅毒には有効な抗菌薬があり「早期に適切な治療を受けることで完治が可能」という点も知っておいてくださいね。
Q. 保健所と医療機関でできる検査の違いは?
①保健所では…… 匿名・無料でHIVや梅毒などの相談や検査等を行っています。合わせてクラミジアや淋菌などの検査を受けられる場合もあり。地域の保健所のホームページ等に申し込み方法などの案内が出ているので調べておくといいでしょう。例えば「HIV検査相談マップ」というサイトでは、都道府県や現在地から検査を受けられる保健所を探すこともできます。ただ最近では、保健所での検査予約がすぐに埋まってしまうといったことも聞いています。心あたりがある場合には保健所の予約の空きを待たずに、医療機関を受診してくださいね。 ②医療機関では…… 検査費用は症状がない場合には自費、症状があれば健康保険適用に。診療科は性感染症科や性病科のほかに、男性なら泌尿器科、女性なら産婦人科を受診しましょう。喉に症状があるなら耳鼻咽喉科、皮膚だけなら皮膚科を受診することもできます。
Q. 感染が確認されたらすべきことは?
③感染が確認されたら…… パートナーにも知らせて受診と検査を勧めましょう。梅毒は一度完治しても、新たな感染や再感染がある病気。カップルのうち一人が感染したままだと再感染のリスクがあります。 ④治療は…… 飲み薬や筋肉注射による治療。2022年に筋肉注射製剤が発売されてからは筋肉注射による治療が一般的。2022年からは注射薬による治療も開始されました。医師の指示に従い治療を続けること、自己判断で治療を中断しないことが大切。 編:でもやはり一番大切なのは、感染を防ぐことですよね。梅毒を予防するためにできることを教えてください。 高:①不特定多数との性的接触を避ける、②性行為の最初から最後までコンドームを使う。この2つを実践するだけでも感染のリスクはかなり減らせます(ただし、梅毒はコンドームで防ぎきることはできません)。梅毒菌は、傷口からの浸出液、精液、腟分泌液、血液などに含まれています。避妊のためにピルを使用している場合でも、必ずコンドームを使って粘膜の直接の接触を避けましょう。オーラルセックスやアナルセックスにおいても同様です。お互いに病気を持っているかどうかは、検査をしてみないとわかりません。パートナーと性感染症の検査を受けておくとより安心ですね。