フランスの政治不安、日本株に嵐を呼ぶリスク-蘇る2017年の苦い記憶
JPモルガン証の高田氏はここ数週間の日本株先物の日中の値動きを見ると、欧州取引時間で大きく下げており、既に欧州勢からリスク回避の動きが出ている可能性があると述べた。
ただ、東証のデータが欧州勢の資金を過大評価している可能性には留意が必要だ。ロンドンやルクセンブルクなど金融拠点を経由した取引が全て欧州として計上されるため、欧州の最終投資家からの影響は見かけほど大きくない可能性がある。実際、財務省と日本銀行がまとめる対内証券投資データによれば、海外で日本株を最も保有するのは米国投資家だ。
もっとも、このところ勢いにやや陰りが見られる日本株市場にとって、フランスや欧州の政治リスクが新たなマイナス材料になったことは確かだ。日本企業の慎重な業績見通しを受けて海外投資家の様子見姿勢が強まる一方、低迷していた中国株が反発の兆しを見せており、東京市場からの資金流出が一層顕著になる可能性は否定できない。
日本の業績予想は例年以上に悲観的、上方修正サプライズで株高誘発も
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Hideyuki Sano