プロ野球、在籍率で楽しむドラフト会議 ── 結果、どれくらいプロに残っているのか?
楽天がドラフトに参加してから10年が経過。今年もプロ野球ドラフト会議の季節がやってきた。10月23日の開催を前に、「今年はやや不作」と言われている。昨年も同様の扱いだったものの、ふたを開けてみれば前評判の高かった大瀬良大地を筆頭に、又吉克樹や森唯斗らのようにチームの主力に成長した選手も数多くいる。プロとして華々しい実績を残す選手もいれば、その逆もいるプロの世界への入り口 ドラフト会議。今回は様々な角度から直近10年(2004~2013年)のドラフト会議を振り返ってみたい。
表1は、球団別ドラフト指名選手たちのプロ契約後の動向をまとめたものとなっている。こちらを参考にしながら読み進めていただきたい。※表中の「○」は日本プロ球団所属選手。数字は、戦力外を基準に日本プロ球団所属外となった選手のプロ所属年数(今後の動向とは別に、今年戦力外となった選手も含む)。
どれくらいプロに残っているの!?
それでは表2をご覧ください。こちらは、ドラフト指名後に晴れてプロ契約を結んだ選手が戦力外通告を受けずに現在もプロ野球界に在籍しているかをドラフト年度別にまとめたものとなっている(日本ハムを退団した多田野数人やダルビッシュ有、田中将大らメジャーリーガーは除外)。当然のことながら、直近になればなるほど在籍率は高い。その一方で、10年前ともなると4割も残っていない。以前に比べて選手寿命が延びたとは言え、一流の選手以外は生き残れないのがプロの世界ということだろう。また、直近10年の平均プロ球団退団年数は4.5年となっている。
最低は巨人の54%
次は表3。こちらは球団の視点から、指名した選手が日本プロ野球界に選手として在籍しているかを計ったもの。※トレードや戦力外となったものの他球団に移籍した場合でも、ドラフト指名後に入団した球団で計算。12球団を見渡して見て60%台が多い中、巨人だけが圧倒的に低い数値(54.0%)をたたき出している。その理由は以下のように推測される。 巨人のドラフト指名選手において、その多くを占めるのが育成ドラフトの選手たち。他球団がこれまで15人前後の選手を獲得しているのに対し、巨人は38人と倍以上。3年という契約期間で結果が出なかった育成選手は戦力外を通知され、その絶対数が多いことにより、低いプロ在籍率の数値が出ている。 しかしその一方で、松本哲也や山口鉄也らのように育成選手出身で新人王に輝く例もあり、できることなら金の卵を多く採りたいのが本音。ただ、当然のことながら育成選手にも球団が負担する人件費が掛かっており、現実的には資金力が豊富な巨人にしか成し得ない戦略とも言える。