57歳で大手企業からディズニーランドのキャストに転身。園内を清掃しながら目の当たりにした夢の国の“本当の姿” 「基本時給アップは8年間でわずか70円」
長年勤めていたキリンビールを早期退職し、57歳でディズニーランドの清掃係に転職した笠原一郎さん。そこでの仕事のありのままを描いた『ディズニーキャストざわざわ日記 “夢の国”にもXXXXご指示のとおり掃除します』(発行・三五館シンシャ、発売・フォレスト出版)が話題だ。誰もが幸せの魔法にかかるというパーク内での仕事ぶりとその知られざる一面を聞いた。 【画像】ディズニーランドの労働環境って?
大手企業を辞めた57歳のおじさんが、夢の国の扉を叩いたワケ!
──笠原さんが上梓された『ディズニーキャストざわざわ日記』が6刷と売れています。そもそもなぜディズニーランドで働こうと思ったんですか? 笠原一郎(以下同) キリンビールで34年間働きました。定年は60歳だったんですが、当時は早期退職(57)をすると退職金の割増があり、辞めるかどうか悩んでいました。そのとき、偶然ディズニーシーで働いている64歳の女性の記事を読んで。「活き活きしてていいなぁ、楽しそうだなぁ」と思ったのも大きいですね。 ──採用面接はどんな感じでしたか? 応募したら、まずディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの本社がある舞浜に呼ばれ、渡された用紙に希望の職種など必要事項を書いて、その後面接がありました。履歴書の提出はなかったですね。2週間後に結果の連絡が来て、晴れて採用となりました。 ──ずいぶんあっさりしているんですね。笠原さんがされていたカストーディアルキャストはどんな仕事をするんですか? パーク内の清掃業務が主で、オンステージ(ゲストが見ることができるエリア)をひたすら歩き回っての掃除と、レストルーム(トイレ)の掃除、2か所の掃除を半分ずつの割合で担当します。 ダストパン(チリトリ)とトイブルーム(ホウキ)を使って掃き掃除をするんですが、多い日は3万歩ほど歩きます。最初はかなり疲れましたけど徐々に慣れて、いい運動になりましたね。体重も落ちましたし。 逆にレストルームの担当だと、エリア内にあるトイレ3~4箇所を巡回して掃除するだけなので体力的には楽です。しかも屋内なので、雨や雪の日は「勝ち組」とも呼ばれています(笑)。