「若年性大腸がん」のリスク症状3選! 50歳未満が注意すべき“危険信号”とは
アメリカのカリフォルニア大学らの研究グループは、「50歳未満で診断される若年性大腸がんのリスクについての解析をおこない、血便と腹痛、貧血の症状がある場合は発症リスクが高くなる」と発表しました。この内容について上医師に伺いました。 【イラスト解説】「大腸がんの原因」となる可能性の高い食べ物4選
研究グループが発表した内容とは?
編集部: アメリカのカリフォルニア大学らの研究グループが発表した内容について教えてください。 上先生: 今回紹介する研究は、アメリカのカリフォルニア大学らの研究グループが実施したもので、研究結果は学術誌「JAMA Network Open」に掲載されています。 若年性大腸がんは罹患率が世界的に上昇しており、アメリカでは診断するまでの時間が高齢発症の大腸がんと比べて最大で40%長いことが指摘されています。この診断までに時間がかかることが、死亡率上昇の一因になっている可能性があります。 研究グループは、若年性大腸がんのリスクがある症状や、診断までの期間を明らかにするための研究を実施しました。解析対象となったデータは、若年性大腸がん患者2490万8126人の症例を含む81件の研究です。対象データのうち、若年性大腸がん患者の一般的な症状は、血便、腹痛、便通の変化、体重減少や食欲減退などがみられました。このうち、若年性大腸がんのリスクが高くなったものは、血便、腹痛、貧血であることがわかりました。こうした症状が表れてから若年性大腸がんと診断されるまでの期間については、平均で6.4カ月、中央値4カ月でした。 研究グループは、今回実施した研究について「一貫した比較対照群がなく、若年性大腸がんと症状との関連性の推定は不十分だった」と指摘しています。こうした状況を踏まえた上で、今回得られた結果については「血便や腹痛などの症状がある場合は、若年性大腸がんを初期鑑別診断に含めて、ほかの診断が確定しない場合や症状が続く場合には、大腸内視鏡検査を含むフォローアップをおこなう必要がある」と結論付けています。