「若年性大腸がん」のリスク症状3選! 50歳未満が注意すべき“危険信号”とは
若年性大腸がんとは?
編集部: 今回の研究対象になった若年性大腸がんについて教えてください。 上先生: 若年性大腸がんは、英語でEOCRC(Early-onset colorectal cancer)と呼ばれ、50歳未満で発症する大腸がんです。若年性大腸がんは、新たに発見される大腸がんの10~15%を占めており、「2030年までに現在の2倍になる」という予想もあります。若年性大腸がんが増加している原因は、現時点では不明です。 若年性大腸がんは初診の時点で、すでに進行期だったり、転移していたりするケースも少なくないことが知られているなど、通常とは違う挙動があります。通常の大腸がんよりも活動性が高いため、診断に時間がかかってしまうと死亡につながり得る病気です。今回の研究はこうした若年性大腸がんの特徴に対してアプローチしたものになります。
研究グループが発表した内容への受け止めは?
編集部: カリフォルニア大学らの研究グループによる発表への受け止めを教えてください。 上先生: アメリカでは若年がんの増加が報告されており、病態が高齢者のがんとは異なる可能性があります。まだ実態は十分に解明されていないため、今回の研究結果は貴重であると考えます。
編集部まとめ
アメリカのカリフォルニア大学らの研究グループは、「若年性大腸がんのリスクについての解析をおこなった結果、血便と腹痛、貧血を呈する場合にリスクが高くなった」と発表しました。大腸がんは日本人のがんによる死因の上位を占める病気なだけに、今回の研究内容は注目を集めそうです。
監修医師:
上 昌広 先生(医師) 東京大学医学部卒業。東京大学大学院修了。その後、虎の門病院や国立がん研究センターにて臨床・研究に従事。2010年より東京大学医科学研究所特任教授、2016年より特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所理事長を務める。著書は「復興は現場から動き出す(東洋経済新報社)」「日本の医療格差は9倍 医療不足の真実(光文社新書)」「病院は東京から破綻する(朝日新聞出版)」「ヤバい医学部(日本評論社)」「日本のコロナ対策はなぜ迷走するのか(毎日新聞出版)」。