兵庫県知事選挙現地ルポ/「民意って何?」が今、問われている(オフィス・シュンキ)
斎藤候補は選挙初日に神戸市中央区の西元町で出陣式を行いました。この西元町は神戸市の繁華街の中でも決して栄えているわけではない商店街です。まして、政党の支援がないことなどから弁士は斎藤候補ひとりだけ。しかし、大手メディアなどの報道によると300人以上の人が集まったといいます。公園を埋め尽くした聴衆と候補だけの出陣式で「本当にうれしく思います。ひとりからのスタートですから」と第一声を上げ、1000億円を超える県庁の建て替え計画の凍結など知事時代の実績を語ることから始めました。中盤の街頭演説では「大変厳しい選挙戦です。私は組織や政党の支援がない中での選挙戦になっています。大変厳しい選挙戦となっています」と、二度「大変激しい選挙」を口にする場面も。しかしここでも、数百人ほどの聴衆が集まっていました。スクランブル交差点で信号が変わるのを待つ若いカップルが目の前に出来ている『人の集まり』をみて「誰が来るの?」と不思議そうに言いあっているのに出会った筆者が「斎藤さんだよ」と伝えると、このカップルが急いでその集まりに入っていったのをみて「前知事」の肩書きを告げなくても分かる、今の斎藤候補の立ち位置を改めて感じもしました。
大沢候補は初日の夕刻、神戸市垂水区の路上で、手に持ったメモを読み上げながらの演説していました。「まず第一に県政を正常化します」と宣言したあと、「私は病院の院長をしております。その職場の経験から、ひとりひとりの職員を信頼し、職員が本来の力を発揮できる、そういう職場をつくります」と立候補した理由を訴えていました。
今夏の東京都知事選についでの出馬となった福本候補には三宮の交通センタービルの前で演説されている姿をなんどもみる形となりました。「私も阪神淡路大震災に病院に勤務している時にあった。県民の方には防災の意識を持っていただき、行政は耐震基準を満たした支えられる施設づくりをやっていきます」と訴えました。