兵庫県知事選挙現地ルポ/「民意って何?」が今、問われている(オフィス・シュンキ)
元参院議員の清水候補は県組織の代表経験もある日本維新の会を離党し、無所属での立候補です。兵庫維新の会代表の片山大介氏をはじめ、先の衆議院選挙で当選した兵庫県下の日本維新の会所属国会議員の方らが勢ぞろいした応援弁士の中で最も注目を集めたのは自民党所属の岡田ゆうじ神戸市会議員でした。清水候補は「団体とか、組織とかのない選挙がやりたかった。維新がどう、自民がどう、公明がどう、とかいうのでなく、党や会派を超えて兵庫県の混乱を抑えるのが第一です」と、無所属で立候補した理由を選挙初日の第一声としました。その上で、まずは政策よりも県職員らとのコミュニケーションの改善が大切だ、と訴えました。チラシやボランティアジャンパーには『青い色』を採用。候補の名前をもじって『清い水』をイメージしたもの」ですが、維新カラーは『緑』。清水候補自らが羽織っていた『白』のジャンパーと合わせ、10年以上「日本維新の会」の国会議員として活動されてきた清水候補の無所属での出馬への違和感の象徴のようにも思えました。
元尼崎市長の経歴をもつ稲村候補の陣営には代表世話役となった自由民主党の県議や西宮市、小野市など兵庫県下の中核都市の市長、無所属の県議などが顔を並べていました。稲村候補は街頭演説で「今の県政の混乱と停滞、もういい加減終止符を打ちましょう。対話と信頼、リーダーと職員との信頼を回復しなければいけません」「なによりもやりたいのは、風通しの良い県政を作ることです」と、政策を語る以前に県職員の方との信頼回復を前面に出して訴えました。中盤には、期日前投票所にもなっている市役所前でも街頭活動を行いました。期日前投票のために訪れていた20代のある男性は「前回は斎藤さんに投票したけど、今日、投票に来たら稲村さんがいた。いろんなきちんとした組織が推薦されているし、今回は稲村さん」と演説を聴きながら語ってくれましたが、「期日前投票所」の前での街頭活動は、『誰に投票するか』を決めかねている有権者には有効になる、を目の当たりにした瞬間ともなりました。