【斎藤知事パワハラ疑惑】死亡した元県民局長は告発前からマークされていた?県は「7つの疑惑」を受けて"犯人捜し"か なぜ匿名の告発者は守られなかったのか
これまでの経緯
続いて、匿名の告発で始まった今回のパワハラ疑惑について、県の初動に問題はなかったのでしょうか。 元県民局長が告発した「7つの疑惑」の内容は、まず、20m手前で車をおろされ歩かされ叱責したというパワハラ疑惑。また、ワインをおねだりするような音声が残っていて、PRのためとしながらPRをしていない“おねだり疑惑”。そして、補助金の不正があったのではないかということも書かれていました。去年の阪神・オリックス優勝パレードをめぐり、地元の金融機関に補助金を多く渡して、その中からキックバックという形で優勝パレード費用をクラウドファンディングに寄付をさせていたという内容です。これが事実だとすると背任・横領になります。 しかし、これ以上に大きな問題かもしれないと専門家が指摘している部分があります。「匿名だった告発者がなぜ元県民局長だと特定されたのか」です。 改めて時系列で見ると、3月12日に元県民局長から匿名で「7つの疑惑」の告発がありました。これに対して3月27日、知事は「うそ八百・事実無根」と最初は切り捨てました(その後「表現がいき過ぎた」と釈明)。5月7日、告発した人が元県民局長だと特定され停職処分を受けましたが、6月以降には、告発内容には一部事実も含まれていたということで百条委員会の設置が決定。しかし7月、百条委員会で証言する予定だった元県民局長が亡くなりました。
告発者がなぜ特定された?県は元県民局長をマークしていた?
元県民局長だと特定された理由について関係者は、少なくとも今年2月から県側からマークされていたのではないかといいます。実は今年2月、元県民局長は県民局のホームページに『組織というのは必ずだんだんと腐敗していくものだ。特に権力者トップとその周りにはイエスマンばかり集めてしまって、だんだんどんな組織も腐敗していく』、そして最後の1文に「これ兵庫県のことじゃないですよ」と書いていました。この記載を受けて県側はもしかしてこの人は県に対して何か思いがある人ではないかということで注視していたということです。 そして告発者が誰なのかとなったときに元県民局長に聞き取りを行った結果、本人が認めたということです。その後パソコンを押収して、過去十数年分のデータを調べて、元県民局長は退職予定でしたが退職させずに停職処分となりました。 「7つの疑惑」が匿名で告発された際、兵庫県は犯人捜しをしていたわけです。