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　「今年のヒット商品ベスト30」（日経トレンディ2024年12月号）で「大谷翔平売れ」を押さえ堂々1位となったのは「新NISA＆『オルカン』投資」。初心者向きの全世界株式投信に1兆8000億円が流入した。だが、まだ投資をやったことがない人や、投資を始めても何かとお金にまつわる不安を払拭できない人も多いかもしれない。 そんななか、世界600万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルとゴールドマン・サックスCEOが絶賛する全米ベストセラーが話題となっている。世界的ベストセラー『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』（東洋経済新報社）の著者で、「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出されたニューヨーク大学スターン経営大学院教授のスコット・ギャロウェイ著『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』だ。9社を起業した連続起業家でもあり、日本で「GAFA」という言葉を定着させた全米屈指の人気教授が明かす「世界最先端のマネー戦略、人生戦略」とは？ 「経済的自立を得ることは十分な『収入』を得ることではなく十分な『資産』を得ることだ。本書で“幸福な金持ち”になって人間関係に時間を投資し、人生を楽しもう」という本書から投資戦略のコツを抜粋・編集してお届けする（構成/ダイヤモンド社・寺田庸二）。 ●　現代の誘惑に打ち勝つ「4つの美徳」とは？ 　世の中には「誘惑に負けてしまう人」と「誘惑に勝てる人」がいる。 　ストイシズム（ストア派哲学）では、勇気、知恵、正義、自制という4つの美徳が重んじられている。 　私は、これらは現代人が誘惑に打ち勝つためのカギであり、同時にそれ以上の価値をもたらすものだと考えている（誘惑に負けてしまう人はこの4つの美徳を意識しよう）。 　①　勇気――粘り強さのこと。現代では「グリット」とも呼ばれる。貧しさや恥ずかしさ、失敗への恐れなど、恐怖に行動を支配されないとき、人は勇気を持てる。 このとき、私たちは勤勉で、前向きで、自信に満ちている。 マーケティングのプロは、人々の恐怖や不安につけ込む術に長けている。だからこそ、勇気の価値は高い。それに、勇気はブランド品のように高い金を払わなくても手に入れられる。 　②　知恵――ストア派の哲学者エピクテトス（50頃～135頃）は、知恵とは「自分の力の及ばない外的なものと、自分のコントロール下にあり選択できるものに問題を切り分けられる能力のことだ」と述べている。 小説家のアニー・プルーは、著書『ブロークバック・マウンテン』（集英社）の中で、同じことを「直せないものは、耐えなければならない」と表現している。 　③　正義――公共の利益にコミットし、人間は互いに支え合っているという認識を持つこと。 マルクス・アウレリウス・アントニヌスは、正義は「他のすべての美徳の源」であると信じていた。 正義に基づいて行動するとき、私たちは正直になり、自らの行動の結果を十分に考慮する。私たちは一人では良い習慣を身につけられない。本章の後半では、人格とはコミュニティ全体で育むものでもあることを詳しく取り上げる。 　④　自制―私はこれを最も重要な美徳だと考えている。 現代人が最も試されているものだからだ。 資本主義は、私たちの自制心の欠如、地位や消費への渇望を燃料にしている。 それは、特大サイズのフライドポテトや高級ハンドバッグといったわかりやすい形の消費だけではない。欧米では、消費だけでなく、感情を爆発させたり、人を貶めたり、被害者意識を持ったりすることにはまり込むことが奨励されている。 自制は、こうしたあらゆる浪費や不摂生への対処策になる。 　本書には、このストイシズムの教訓をベースにした「お金」と「幸福」に関する法則を凝縮してあるので、これから投資を始める人にもすでに投資を始めている人にも参考になるだろう。 　（本稿は『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』の一部を抜粋・編集したものです）