「乳がん」は日本人女性の9人に1人がかかる病気…乳がん患者が増える理由を医師が解説
2024年10月3日(木)にハースト婦人画報社が主催のインフルエンサーやエディターなどの発信に携わる人々がともに学び、知識をアップデートしていくプロジェクト「Social Echo Club(ソーシャル・エコー・クラブ)」が開催されました。 【写真】乳がんになったことを明かしたセレブたち ピンクリボン運動強化月間である10月。イベントでは、乳がんの基礎知識や発信をするうえで気をつけたいことを学びました。 ここからはイベントレポートをお届け。ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の院長である島田菜穂子先生が乳がんの基礎知識を解説を振り返ります。
日本女性の9人に1人がかかる乳がん
日本人女性の9人に1人が乳がんにかかると言われている現在。働き盛りである壮年層(30~63歳)に多く、この年齢層ががんで亡くなるトップクラスの原因になっています。乳がんにかかる人や乳がんで亡くなる人は年々増加していますが、「早期発見・早期治療であれば、90%以上の人が治癒する」と島田先生は話しました。 「乳がんの特徴や進行スピードなどは人によって異なり、それぞれの症状や求める治療に寄り添った『個別化医療』が進歩しています。また、治療中や治療後も、快適に過ごせる多様な商品や工夫が展開され、乳がんの生存率は向上し、乳房も残せる、あるいは戻せる時代になっています」(島田先生)
乳がんは二次予防が大切
乳がんが増えている大きな理由は、ライフスタイルの変化だと島田先生。 乳がんの発生と進行の原因に、「エストロゲン」が影響しています。エストロゲンは、出産の準備や女性らしい体づくりをする女性ホルモンの一種。妊娠や閉経をするとエストロゲンの分泌が低下しますが、昔より初潮から閉経までの期間が長くなり、女性の社会進出などを背景に高齢出産や出産をしない女性も増えました。エストロゲンに影響を受ける期間が長くなったことが、乳がんにかかる人が増えている理由の一つと言われています。 また、ピルや不妊治療、更年期障害の治療などで薬として女性ホルモンを使用することも、リスクを高める要因に。ただし、「乳がんになる原因は、はっきりと解明されていない」と現状を伝えました。 「原因がはっきりとわかっていない現在の状況だと、乳がんを確実に予防する一次予防はありません。だからこそ、早く見つけて早く治療する二次予防が重要です。命を奪われるリスクが少なくなるだけでなく、治療後の出産や仕事など、将来の夢をあきらめなくてすむためにも早期発見と治療が大切なのです」(島田先生)