共働き家庭がぶつかる〈小1の壁〉 育児とキャリアのバランスを解決するためにワーママが取った行動とは
中高年がキャリアや健康などの不安に陥りやすくなってしまう「ミッドライフクライシス(中年の危機)」という言葉が、近年話題になっています。このような中年期特有のモヤモヤ感を「40歳の壁」と表現しているのは、音声メディア「Voicy」のトップパーソナリティとして活躍しながら、ヨガスタジオやスキンケアブランドの代表も務める「ワーママはる」こと尾石晴さん。今回は、尾石さんが「40歳の壁」を越えて自分らしく生きるための方法をまとめた著書『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』から、一部ご紹介します。 【書影】「Voicy」トップパーソナリティによる、一生「お金・つながり・健康」を維持できるキャリアデザインの本。尾石晴『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』 * * * * * * * ◆「小1の壁」の実体 2019年、私は新卒で入社した外資系企業で勤続15年目、ワーキングマザー歴6年目になっていました。 当時3歳になった次男はオムツがほぼ外れ、長男も小学校に上がりました。 「そろそろ仕事にギアを入れるタイミングかも」と思っていた矢先にドーンと来たのが、いわゆる「小1の壁」。 「小1の壁」とは、「子どもが小学校に上がると保育園時代に比べて、仕事と子育ての両立が困難になること」を指します。 保育園時代と違い、延長保育や土曜保育はなくなり、夏休みなど長期休みのフォローも必要になる。 また、小1までには多くの企業の時短勤務が終了。 かといって、子どもが小学生になった途端に何でもできるようになるわけではないため、心配は尽きない……。 共働き家庭の多くは、この「小1の壁」にぶつかります。 まさに、当時の私もバッチリ直面していました。
◆「ワーママ第二の暗黒時代」の到来 わが家は、平日は私が育児を担当、いわゆるワンオペ育児でした。 朝7時半に家を出て、19時前に帰宅。 21時に寝るまで2時間しかないものの、2人とも保育園に行っていた頃はどうにかやりくりできていました。 なぜなら、やることが全部「お世話」だから! 「ごはん、風呂、寝る」のお世話だけで、どうにか母子の生活は回っていたのです(お世話の合間に洗濯、掃除、調理などの家事をする)。 「お世話」の強みは、外注が可能だということ。ベビーシッターさんや祖父母など、親以外でも代わりにできます。 しかし、長男が小1になって「学業」が始まると、そうはいかなくなってきました。 ・毎日の学校の宿題確認(親のサイン込み)。 ・習い事の送迎。 ・学校での出来事を確認する(本人から聞き取り)。 ・連絡帳で明日の準備物を用意する(工作の材料など)。 ・先生とのやり取りを連絡帳で確認する。 ・行事に必要なものがないかチェックする。 ・息子の話を聞いてやる(重要)。 「お世話」に加えて「学業+心のフォロー」にも神経を使うようになり、精神疲労が半端ない。保育園時代とは比べものにならないくらいです。 しかも、「学業+心のフォロー」は毎日定点観察してくれる大人(多くは親)が必要。 同じ人が継続的に見ていたほうが把握しやすいし、子どもも自分の話は「親」に聞いてほしいんですよね。 「学業+心のフォロー」の任務が重くのしかかり、まるで「帰ってからも仕事が待っているような気持ち」になってしまう。 加えて次男(2歳児クラスの保育園児)もいる……。 第一子出産後より私が年を取って体力が低下していた(32歳→38歳)のもありましたが、年々楽になると思っていた育児が楽にならない。 第一子出産後の「ワーママ第一の暗黒時代」(拙著『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』を参照ください)に次ぐ「ワーママ第二の暗黒時代」の到来でした。