「笑うこと」の健康効果がスゴい! 仕事も人生も幸せを引き寄せる“笑顔のメリット”を日本人専門家が解説
仕事も人生も好転させる笑顔の強靭なパワーとは? 笑顔研究の第一人者、菅原徹さんが笑顔マスターになるためのポイントを教えてくれた。 【写真】禁酒が若々しさを保つカギ!? アン・ハサウェイの変わらぬ美貌を支えるルーティーンを深掘り 話を伺った人… 菅原 徹(TORU SUGAHARA):感性価値プロデューサー。スマイルサイエンス学会代表理事。早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員、東洋大学総合情報学部非常勤講師なども務める。笑顔を専門に研究する第一人者でサービス力の向上や職場メンタルヘルスケアなど、社会のさまざまな問題解決に応用。
笑顔は幸せホルモンを分泌させる
“笑う門には福来たる”ということわざはイメージだけの話にあらず。確かに人生は好転する、と笑顔研究の第一人者、菅原 徹先生は説明。 「まず基本的な部分で、笑顔をつくったり笑顔を交わすことで、3種の幸せホルモン、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンを同時に活性化し分泌を促します」。 笑顔があればオートマチックに喜び、楽しみ、意欲が倍増。そして一歩外に出ればコミュニケーションツールとして働く。「他人を見て自分のことのように感じるミラーニューロン作用で、笑顔は人に伝染。また人と人との関係性において、笑顔は情報のキャリアとして有能で、発信する情報に笑顔を添えるだけで受発信のスピードが上がり、心に深く届き、記憶への定着もアップ」。 就活の強い武器になることも菅原先生の研究室で実証済み。「さらに相手の笑顔を見て気分が高まった後に商品を見るとモノがよく見える、という心理的な反応も。価格感度分析という方法で調べたところ、笑顔の店員さんから買うお弁当は、真顔のそれより1個あたり46円高かった、という結果が出ました。笑顔がビジネスの大きな武器になることも数字で証明されています」
一日に400回笑う子どもと15回の大人
一般的に大人になると笑う回数が減る。 「平均すると、子どもは一日に400回笑うのに、大人は15回。刺激に対する慣れもありますが、~ねばならない、という根っこにあるネガティブな観念が大きな要因と考えられます。私たちは幼児期から、~しちゃダメ、~しなくちゃダメと言われ始めますが、観念が思考パターンをつくり、行動や習慣、人格にまで影響。ネガティブな観念に縛られている人ほど、笑顔は少ない傾向が」 ~ねばならないにコントロールされ、喜びや楽しさの感受性が低くなっている私たちにとって、笑顔は無意識に出るものではない。 「人と会わない環境で笑顔のキャッチボールができないと、笑う筋肉をうまく使えなくなる。さらに気分が鬱々とすると、笑顔の読み取り度もダウン。思考をポジティブに変換する癖をつけ、笑うことを意識化して」