BBS AWARD 2023-24【世界選抜BEST5・Bリーグ】D.J・ニュービル/アンソニー・クレモンズ/ペリン・ビュフォード/コティ・クラーク/ジョン・ムーニー
2026年開始予定のB.LEAGUE PREMIERではオンザコート枠の撤廃が謳われており、BBS AWARD独自タイトルであった世界選抜こそがいよいよスタンダードになる日も近い。 「日本人選手にMVPはまだ早い」 「1stチームと2ndチーム全員外国籍」 などといったバッキバキの過激派による血走った発言が飛び交う本選考会の本気度は今年も健在で、選出後には「…勝てる気がしない」という諦めのため息が漏れる始末。 自分たちで選んでおきながら随分なものである。 怪物を作り出してしまった博士の心中を疑似体験する我々が最初に選んだのはもちろんD.J・ニュービル(宇都宮ブレックス)だった。 本家のMVPは今シーズンも抜群のパフォーマンス。 これまではオフェンスのタスクが少々重めだったこともあってディフェンスにかけるコストが制限されていた印象だったが比江島慎の存在によってこの問題が解決され、十分に発揮されてこなかったディフェンス能力の高さも示した。 そしてもう一人、個人能力のレベルがカンストしてしまった超人、ペリン・ビュフォード(島根スサノオマジック)もすんなりベスト5入りを果たす。 夏場にそうめん食べる頻度でトリプルダブルをかましてくるチートプレーヤーがニュービルと組んだらどうなるんでしょうね。ほら、もうこの二人だけで恐ろしいでしょ。(なお、ここまで本家と丸かぶり) その後も比較的サクサクと選出が進んでいく。 インサイド周りのプレーヤーとしてコティ・クラーク(三遠ネオフェニックス)、そしてジョン・ムーニー(千葉ジェッツ)は外せない。 クラークのスキルセットは新生三遠のコンセプトとシンクロ率100パーセントの完全同調。快進撃の中核を担った。 前述の3人にムーニーが入れば5アウトでスモールボール的展開が目指せる。機動力もあって3ポイントも入るし、なによりリバウンドの問題は解決だ。 ここまで4人の選手を順調に確定させてきた我々だったが、しかし最後の1人が難航した。 数ある候補から最終的に絞られたのは2名。セバスチャン・サイズ(アルバルク東京)とアンソニー・クレモンズ(サンロッカーズ渋谷)だった。 だがこのとき、我々は気づいていなかった。 いや、もしかすると他の選考員は知っていたのかもしれないが、少なくとも筆者はなにも考えていなかった。 全ての選考が終了したあとになってようやく思い当たったことなのだが、もしここで5人目にサイズを選んだ場合、それはただの本家1stチームと2ndチームの寄せ集めに過ぎなくなる。 そうなっては世界選抜のパイオニアたるBBS AWARDの名折れ。新リーグ終了後のアワードショーを「ようやく時代が我々に追いついてきた」的なドヤ顔で眺めることなどできはしない。 アイデンティティの危機を前に、知ってか知らずか編集部の下した決断は、「クレモンズにしましょうか。そのほうがスピリッツっぽいし。」 こうして我々のちっぽけな優越感(予定)は無事に保たれ、そしてオフェンスレート200を見込めるスモールボールユニットが爆誕。 暴力的な攻撃性能に震えることとなった。
BBS AWARDについて
「Basketball Spirits AWARD(BBS AWARD)」は、対象シーズンのバスケットボールシーンを振り返り、バスケットボールスピリッツ編集部とライター陣がまったくの私見と独断、その場のノリと勢いで選出し、表彰しています。選出に当たっては「受賞者が他部門と被らない」ことがルール。できるだけたくさんの選手を表彰してあげたいからなのですが、まあガチガチの賞ではないので肩の力を抜いて「今年、この選手は輝いてたよね」くらいの気持ちで見守ってください。 ※選手・関係者の所属は2023-24シーズンに準ずる。
石崎巧