これまでの不調を払拭、36得点の大暴れで逆転勝利導いたステフィン・カリー「シュートに当たりがくることはわかっていた」
デュラントは、「神のようなパフォーマンスだった」と絶賛
パリ五輪で優勝候補の大本命である男子アメリカ代表は、準決勝のセルビア戦でまさかの大苦戦を強いられた。序盤からニコラ・ヨキッチを起点とした精度の高いオフェンスを止められず、高確率で外角シュートを許し、第3クォーター終了時点で13点を追いかけることに。 それでも、この大ピンチを救ったのがステフィン・カリーだった。今回が五輪初出場となるカリーは、この試合の前まで3ポイントシュート20本中5本成功など、シュートタッチが悪く低調なプレーが続いていた。しかし、この試合では33分の出場でフィールドゴール19本中12本成功、そのうち3ポイントシュートは14本放って9本を決め、36得点を記録。これまで消化不良に終わっていた鬱憤を晴らす大暴れで、アメリカを決勝へと導いた。 このカリーの活躍をケビン・デュラントは、「神のようなパフォーマンスだった」と絶賛。そしてレブロン・ジェームズは、「例えこれまで調子が悪くてもカリーに対する信頼が揺らぐことはなかった。彼が、こういう活躍をするのは時間の問題だった。毎日、彼のたくさんの努力を見ている。完璧なタイミングでシェフ(カリー)は、本来の力を発揮してくれた」と語った。 『FIBA.COM』によると、カリーはこの試合での苦戦に驚きはなかったと明かしている。 「この夏、ずっと僕たちはいずれ劣勢の状況が来ると話していた。セルビアはタフな相手だ。彼らは素晴らしいチームで、(練習試合、グループリーグに続く)3度目の対戦となる。同じ相手に3度ともに勝つのは常に難しい。だから、あのような形でカムバックできたのは素晴らしい」 また、3ポイントシュートの爆発について、「シュートに当たりがくることはわかっていた。それが、いつになるかというだけだ」と語る。そして、「例えシュートが2本、3本しか決まらない時でも、今夜のような試合においても、やることは同じだ。この瞬間を楽しめたことを神に感謝したい。僕たちは決して諦めない。このメンバーで金メダルを取ることが、どれくらい大きな意味を持っているのか知っている」と、どんな状況でも自分のなすべきことに変わりはないと強調した。 決勝の相手は開催国であるフランスで、決勝トーナメントではグループリーグと見違える質の高いプレーを見せている。だが、アメリカもカリーの本領発揮という待望の武器を手に入れて頂上決戦に臨めることは何よりも大きなプラス材料だ。
バスケット・カウント編集部