アナリスト率いる新興ヘッジファンド、低コストで人気の戦略再現へ
(ブルームバーグ): 新興ヘッジファンドのタップルート・マネジメントは、高給取りのポートフォリオマネジャーを避け、資産運用のためにアナリストのみを採用することで、大手ライバルが生み出すリターンを低コストで再現することを目指している。
タップルートは、ツーシグマ・アドバイザーズの元最高投資責任者(CIO)、ジェーソン・ビバレッジ氏の支援を獲得したと、事情を知る関係者1人が明らかにした。情報の非公開を理由に匿名を条件に語った関係者によれば、タップルートの創業者、デービッド・リン氏は、来年に約5億ドル(約800億円)で同ファンドをスタートする計画だ。
ビバレッジ氏とタップルートの担当者はいずれもコメントを控えた。
タップルートは、ヘルスケア、工業、テクノロジー、消費、金融セクターの株式に投資する8人のマルチアナリストチームを結成している。アナリストらが投資アイデアを生み出し、ポートフォリオを構築し、それを取引最適化を目的とした独自のテクノロジー・プラットフォームに送り込むことで、人気のマルチストラテジー・ヘッジファンドと同程度のリターンを創出できると同社は期待している。
タップルートはミレニアムやシタデルなどが支配的存在である、ヘッジファンド業界の最もホットな分野に参入しようとしている。スタートアップ各社は人材獲得でこうした企業と競争するのは厳しいと判断し、資本を獲得するために差別化せざるを得なくなっている。
タップルートは6-12年の経験を持つシニアアナリストを採用している。アナリストが生み出す利益のうち、自身の取り分はパーセント表示で1桁台後半と、大手企業のポートフォリオマネジャーの一般的な取り分の半分未満となる。
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原題:Two Sigma’s Beverage Backs Hedge Fund Startup Led by Analysts(抜粋)
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Nishant Kumar