情緒ある温泉街を満喫!世界も認めた絶景と川沿い散歩ダブルで楽しむ旅
山口を代表する味覚、ふぐを存分に堪能するディナー
お楽しみの夕食時間。最初に出てきたのは「先八寸」とされるさまざまな前菜の盛り合わせ。左の囲いは、神社の茅の輪をイメージしているそうです。器は萩焼。 イカスミで和えたイカと、大葉で和えたイカの二色和えに生ウニをのせて。イカスミにはナッツを混ぜてあり、まろやかなコクのある味わい。大葉の方はさっぱりとしていて、二つのコントラストが味覚を楽しませてくれます。 イカやウニは山口県の名産。夏から秋にかけてケンサキイカが回遊してきます。萩、長門など山口北部の北浦エリアはウニの餌である海藻が豊富で良質なウニがとれるそうです。 山口はお酒がおいしいことでも知られています。冬は「ふくのひれ酒」などもあり!せっかくなので、おすすめご当地酒の飲み比べを頼んでみました。 「Ohmine 3粒 火入れ山田錦」、「原田 西都の雫」、「貴 濃醇辛口純米80」の3種セットです。 フルーティーで爽やかなOhmineと、しっかりお米の風味を感じる貴、山口産のオリジナル酒米「西都の雫」を使用した原田がちょうど中間くらいのバランスで、それぞれタイプの違うお酒を楽しめました。 そして外せないのは山口県を代表するグルメ、ふぐ料理。この地域ではふぐのことを「ふく」と呼び、「福」ともかけた縁起物として昔から親しまれてきました。 下関には、日本で唯一のふぐ専門卸売市場があります。ふぐ取扱量全国1位であり、日本各地で水揚げされたふぐはみんなこの市場へ集まるそうです。 「ふく薄造り」はトラフグを3種の味で楽しみます。こだわりの製法でつくられた「釜炊き塩」、定番の「ちり酢」、そして変わりだねの「つぶ雲丹たれ」。 まずは釜炊き塩でシンプルにふぐそのものの風味を味わい、次はちり酢でさっぱりと。最後の「つぶ雲丹たれ」は、オリーブオイルとつぶ雲丹、ふぐの魚醤を合わせたもので、やや濃厚なコクのあるカルパッチョ風の味わいで新しいおいしさでした。 メインはてっちりを界 長門風にアレンジした「ふくと牛の源平鍋」です。源平鍋とは、ふぐで有名な下関が源平合戦の舞台、壇ノ浦であることから、ふぐと牛肉を源氏と平家に見立てて名付けたそうです。 山口県では特産のみかんを鍋に入れる風習があり、その要素も盛り込まれています。 柑橘の爽やかな甘酸っぱさがふぐと合い、さっぱりといただけます。火鍋風に鍋を仕切り、反対側で牛肉をしゃぶしゃぶしていただきます。最後は雑炊で、ふぐでとった出汁スープが滋味にあふれ絶品です。 写真には出ていないですが、ここでちょっと珍しいお酒「シセラ」を合わせました。 周防大島のワイン農家「ドメーヌ・ピノ・リーブル」が昔からこの地で栽培されている温州みかんを使い、ワインと同じ醸造法でつくった果実酒です。柑橘のフレッシュで優しく繊細な酸味が心地よく、食事にも合わせやすいお酒でした。
今回宿泊した温泉宿はこちら:界 長門
そぞろ歩きが楽しい音信川沿いに佇む「界 長門」。宿と街並みが一体化し、旅行者にもオープンな雰囲気と、暮らすように過ごせる居心地良さがこの街にはあります。 優しく温かいこの街に住む人々と会話を楽しめば、思いがけない出会いがあるかもしれません。「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。 界 長門 ●住所:〒759-4103 山口県長門市深川湯本2229-1 取材協力:星野リゾート 文・写真:江澤香織 編集:鳥居史(ハルメク365編集部)
ハルメク365編集部