10年勤めた会社の退職金が45万円だった……少なくないですか?【転職のプロが解説】
転職やキャリアに関する悩みや疑問に、ひとつ上を目指す人の転職サイト『type』編集長の三ツ橋りさが回答します。今回は「退職金」について。 (質問) 10年勤めた会社の退職金が45万円でしたが、少なくないですか? 転職活動の際に退職金の確認もしておいた方がいいのでしょうか? (回答) 退職金制度の有無や内容は企業によってさまざま。独自に定められた退職金規定で勤続年数や基本給・役職・退職理由などさまざまな基準で算出されるため、一概に「多い・少ない」を判断することは難しいです。また、転職先が退職金制度を見直すこともあるため、退職金の有無や支給条件を重視し過ぎた転職活動はしない方がベター。あくまで転職理由や、転職でかなえたいキャリアの軸を整理し、転職活動を進めることが大切です。 詳しくは以下で解説します。
◆退職金制度とそのトレンド
退職金の額は、退職金制度の種類によって大きく変わるため、一概に多いか少ないか判断することは難しいです。 退職金制度を大きく分類すると「退職一時金制度」と「企業年金(退職年金)制度」に分けられます。一方を使用している場合もあれば、2つの制度を併用している場合もあります。 「退職一時金制度」は退職時に一度にまとめて全額支払われる制度のことです。「企業年金(退職年金)制度」は企業が社員のために加入する年金制度のことで、確定拠出年金、厚生年金基金などが含まれます。退職一時金を支払うのは会社側の負担が大きく、倒産した場合は支払いができなくなるという課題もあるため、近年では保険会社や信託銀行といった、企業が契約する金融機関で積み立てを行う、確定拠出年金制度へ移行する企業が増えています。 「退職一時金制度」のみを採用している企業の場合も、算出方法や退職理由によって金額は変わります。終身雇用が当たり前だった時代は、勤続年数に応じて退職金が増える「年功型」が中心でしたが、最近は会社への貢献度に応じて金額を計算する「成果報酬型」が増えているのです。 「会社を辞めるときは誰でももらえる」「まとまった金額をもらえる」と思い込んでいると、いざ退職するときになって今後のライフプランに影響が出ることも。在職中に一度就業規則を読んでおくことがオススメです。