ジェイミー・xxが語る最新作「In Waves」と「サンプリング」、そしてThe xxについて
ジェイミー:このアルバムに関しては、そうだと言えると思う。ここ数年リリースされている比較的ポップ寄りのダンスミュージックは結構ミニマルというか、ベーシックな方法で作られていて、僕はあまり心を動かされないんだ。聴いていて、何の感情も湧き起こらないんだよ。僕はそれに対抗して、今、世界的に使われているポピュラーな手法とは違うことを試みた。周りの状況や意見を気にすることなく、自分自身を信じて、自分にとって自然だと感じられることをやろうと思ったんだ。
サンプリングについて
――前作でも用いられていましたが、今作ではサンプリングがより多用されています。ただ、一口にサンプリングといっても、カットアップの手法に90年代以降のクラブミュージックからの直接的な影響を感じました。
ジェイミー:子供の頃に自分がやっていた音楽制作の方法に立ち返ったんだ。その頃は、自分が作った音楽なんて誰も聴いたことがなかったし、誰かに聴いてもらおうとも思っていなかった。その時の作り方が一番楽しかったから、またその方法で音楽を作ろうと思ったんだ。その方法というのが、サンプリングを多用することだった。90年代の音楽もサンプリングを起用したものが多かったと思う。それに、最近のダンスミュージックが聴けない時期とも重なったんだ。というのも、ダンスミュージックを聴くと、仕事のことを悪い方に考えて不安になってしまってね。だから古い音楽を聴いていて、アルバムではそんな時に聴いていた音源をたくさんサンプリングした。この点においても、自分のルーツに立ち返ったと言えるね。
――その時代のレジェンドとして、実際にアヴァランチーズ(The Avalanches)と共演していますが、彼らとの仕事はどうでしたか?
ジェイミー:素晴らしかったよ!彼らの1stアルバム「Since I Left You」(2000年)が出た時、僕はあのアルバムをループして、それから何年も聴いていたんだ。その経験によって、自分の音楽制作の基礎が形成されたと思う。あのアルバムが出た時、僕は11歳だったから、ちょうど自分で音楽を作る方法を学び始めていた頃だったんだ。アヴァランチーズに実際に会って、彼らの1stアルバムについて話したり、彼らがどうやって音楽を作っているのかについて聞いたりして仲を深めていった。今では、彼らがロサンゼルスに来る時は、僕の自宅に泊まることもある。逆に、僕がオーストラリアに行く時は、彼らと一緒に遊んだりする。自分が尊敬するヒーローに会うことができて、しかも自然な関係性を築くことができたのは、すごく特別なことだと思う。僕と彼らの音楽の作り方は上手くフィットしたんだけど、それは彼らの音楽をたくさん聴いて、彼らから学んできたから当然のことだよね。