レバノンの通信機爆発はどう仕組まれたのか
また、2018年のブルームバーグの報道によると、アメリカ捜査当局は中国がコンピューターチップを改造して情報を盗んでいると非難した。 こうした攻撃や類似の攻撃から自国を守る方法はいまだ確立していない。すでにハイテクのサプライチェーンは複雑かつ国際的になっているからだ。 ■日本も他人事ではないサプライチェーン危機 ヒズボラもハンガリー企業から調達されてきていることに何の警戒心も抱いていなかった。なぜなら、そのような国際分業はまったく普通のことだからだ。日本で人気が高いアップル製のiPhoneもその1つだ。iPhoneの部品は数十カ国から輸入され、主に中国で組み立てられている。
標的はどこにでもある。とくにインターネット上やコンピューターは脆弱だ。車や冷蔵庫、冷暖房設備など私たちの周囲にある多くの物が遠隔操作のスマートリモコンでますます便利になる一方で、ネットワーク攻撃やサプライチェーン攻撃にさらされるリスクが高まっている。それは私たち自身が脆弱になっていることを意味する。 イスラエルのポケベル攻撃は世界を変えるゲームチェンジャーだ。日本も心して対策に取り組まねばなるまい。
高橋 浩祐 :米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員