「書いた分は裏切らない」 イメージ大切に創作 21世紀国際書展グランプリの片岡竹彩さん
■創意工夫で独自の世界へ
「守破離(しゅはり)」は芸道、武道などで使われる言葉で、教えを忠実に守り習得した上で、次に自ら考えて工夫し、独自の新しい世界を生み出すという考え方だ。
「書でも、まず真似(まね)ること、たくさん書くことは大事。書いた分は裏切らない。真似るがゆえに勢いがなくなることもある。大きな壁があるけれども、そこを飛び出すこと。その先に創作がある。人の成長も同じじゃないでしょうか」
いま魅了されているのは、中国・南宋の書家、張即之(ちょう・そくし)(1186~1266)の作品。2年前に東京都内で公開された京都・智積(ちしゃく)院にある国宝、「金剛経(こんごうきょう)」を実際にみたとき、圧倒された。実は金剛経を、父が亡くなる前に書いていたことも知り、「これから書いていきたい」と意を決した。いまが書家としての全てではない。高みはまだ先にある。理想への挑戦は続いている。=随時掲載
◆かたおか・ちくさい 昭和29年7月22日生まれ。川崎市幸区出身。書道は父、中川竹泰(故人)の影響で「物心ついたころから」始めたという。川崎市内の書道教室を主宰。趣味は旅行。特に京都巡りが好きで、昨年だけでも6、7回訪れた。「京都好き」が高じて京都検定2級を持つほどの腕前に。
◇21世紀国際書展は7月10~14日、横浜市民ギャラリー(横浜市西区宮崎町)で開催される。入場無料。午前10時から午後6時まで(最終日は午後4時まで)。JR桜木町駅前から無料送迎車によるサービスがある。問い合わせは同ギャラリー(045・315・2828)。
授賞式・祝賀会は7月13日、「HOTEL PLUMM」(同市西区北幸)で行われる。